Fool on a hill

読んだ本やら、趣味の話やらを徒然なるままに書いていきます。

(エンジニアの)チームづくりについて

先日、及川卓也さんの「ソフトウェア・ファースト」を読んだ。

厳密にいうと、1年ほど前に読んだことがあるので、2回目である。

何故、読んだかというと、社内のとある打ち合わせで、

  • 及川さんの「ソフトウェア・ファースト」という本に書いてある「ソフトウェアの手の内化」という考え方が大事である

という話があり、「その本は読んだはずだけど、その言葉を覚えていないな」と思い、読み直すことにした。

読み直して、

  • チームのリーダー、特に、エンジニアが主体のチームのリーダーになる前に読むべき本だな

と感じた。

というのは、やはり「チームのリーダーになる」というのは困難なミッションであり、それなりの心構えや自分なりのやり方を持っていないといけないということだと思う。

例えば、私は、約1年前から30人ぐらい(協働者も含めると50人ぐらい)のチームのリーダーとして働いているが、「チームのリーダーとして何をすべきか?」というのは、最近、ようやく少しずつ理解できてきた気がする。

少なくとも、私の場合は、その辺のやり方は誰も教えてくれなかったなと思う。もしかしたら、普通の人は、メンターのような人がいて、その人と相談しながら、そのようなやり方を身に付けるものなのかもしれないが。

というわけで、ここでは、「ソフトウェア・ファースト」に書いてあることをベースに、チームづくりのポイントについて、自分なりに整理してみたい。

文化(Culture)を明確に定義する(言語化する。紙に書く。)

文化の中身自体は、下に書く「チームとしてのあり方」みたいなものだが、それを明確に定義して、チームメートに伝えるというのが大事である、というのをまずは書いておきたい。

私は、チームリーダーになってから9か月後に、そういう文化みたいなものを定義するドキュメントを作ったが、もっと早く作るべきだったなと反省している。

ちなみに、私の目指すチームの文化とは、以下である:

  • 一人ひとりの「やりたい」を大事にする

  • 一人ひとりが主体的に、かつ、自由に発言・提案・アクションを行う(そして、お互いにそれを尊重する)

  • 圧倒的当事者意識で横に染み出す(チームとして助け合う)

  • 「BizDevOps」を追求する(事業と技術は不可分)

心理的安全性を高める仕組みを作る

これは最近いろいろなところで言われているので、その必要性自体はここでは割愛する。

私のチームでは、朝会での雑談、1on1、打ち合わせ前のCheck-ins、ニックネームで呼び合うなどを、試行錯誤しながらやっている。

日本人はShyなので、こういった仕組みは必須だと思う。

チームメートの「やりたい」を大事にする

日本人は「やりたい」をあまり言わない人が多いと思う。

一方で、やはり「やりたい」ことをやる場合に最も成果が高くなるし、チームメートの成長も最大化されると思う。

だからこそ、「やりたい」を大事にしたいし、チームメートが自分の「やりたい」を主張できるチームにしたい。

ミッションに共感した、多様性のあるチームを作る。Debateできるチームを作る。

心理的安全性があるチームは、いろいろなメンバーが自由に意見を言い合い、Debateすることで、新しい方向性への変革を起こせるのかなと思う。

もちろん、チームメートが自分の「やりたい」を自由に言い合えるチームであるというのがベースラインとしてある必要がある。

「どこでも働ける人材」を育てる

これはエンジニアのチームとして最も大事な点だと思う。

「外で勝負できるプロ」を育てる。

「そのような人材を目指してください」と伝えて、かつ、そのような環境を用意する必要があると思う。

この本に書いてある通り、そのような人材が、能動的に所属する組織を選んで働いているという状況を目指すべきだと思うし、組織は、強い個人を惹きつける努力を怠らないようにすべきである。

変化を恐れない。常に変化を求める。

一般的に、組織も人も変化を嫌う生き物だなと思う。

だからこそ、"Get out of your comfort zone!" を言い続ける必要がある。

後は、個人もチームも、

  • 好奇心
  • 持続性
  • 柔軟性
  • 楽観性
  • 冒険心

を常に持ち続けるようにしたい。

10xを目指す。高い目標を常に掲げる。

「変化を求める」と言っても、「で、何をするの?」となるので、この「10x を目指す」、「高い目標を掲げる」というのを意識すべきだなと思う。

チームのミッションステートメントを書く

文化と同じく、やはり言語化した方がいいなと思う。

と言いつつ、自分のチームではまだ書いていないなと思った。

ここで改めて書くなら

  • 社内のData-driven Innovationを支える
  • 社内の内製化、BizDevOpsを支援する
  • Speed
  • Secure

かなと思う。

プロダクトの骨太の方針を決める(言語化する。紙に書く。)

チーム内のいくつかあるProduct/ Serviceに対して、

  • What
  • Goals
  • Non-Goals
  • Why
  • Reference
  • To-Do

を書くべきである。

文化やミッションステートメントと同様、言語化することが大事だと思う。

その他もろもろ

  • 計測する仕組みを作る。内製の基本。
    • Active User数や手作業の量など、できる限り計測するというマインドが大事だと思う
  • 全員を幸せにする必要はない。
    • 100%のSLOを目指すという話と同質のものだと思う。

「The 7 habits of highly effective people」を読んで 〜 Part 3 〜

前回、前々回に引き続き、「The 7 habits of highly effective people」を読んだ感想を書く。

今回は、Part 3のPublic Victoryについて。

人生とは、Team Sportであり、Habits 1, 2, and 3でしっかりとした個人の基礎を築いた上で、EffectiveなInterdependence (人間関係) を築く必要がある、というのが、Part 2 (Habits 1, 2, and 3) から Part 3 (Habits 4, 5, and 6) への流れである。

すなわち、人間関係を築くための最初の場所は自分自身であり、Circle of Influenceの内部であり、自分自身のCharacterである、ということ。

もっと具体的に言うと、

  • Proactiveに行動する(Habit 1)
  • Correct principlesの中心にいて、自分自身のValuesに基づいて行動する(Habit 2)
  • 人生の中のPrioritiesをOrganizeし、Executeする(Habit 3)

をすべてしっかりとこなした上で、豊かで、長続きする、生産的な人間関係を築くことができる、というのがポイントである。

The Emotional Bank Account

Courtesy, Kindness, Honestyを通して、Emotional Bank Accountに貯金することができる。貯金があると、Communicationは簡単であり、相手とEffectiveに進めることができる。

6つの貯金(Deposits)のやり方:

● Understanding the Individual: その人を理解する。

● Attending to the Little Things: 人間関係では、小さな積み重ねが大きなものになる。

● Keeping Commitments: 約束を守り続ける

● Clarifying Expectations: 自分の役割と相手の役割を明確化する。

● Showing Personal Integrity: 二枚舌はだめ。陰口を叩かない。

● Apologizing Sincerely When You Make a Withdrawal: 間違ったことをした場合には、強い意志を持って、すぐに心から謝る。それが大事である。

要するに、「真心を持って、親切に、かつ、正直に人と向き合うと、その人から信頼され、その後も良い人間関係を築くことができる、一緒に仕事をするときには、効果的に進めることができる、そして、その人に助けてもらうことがある」ということかと思う。

これを読んだとき、無意識のうちにやってきたのかもな、と思った。

仕事をするときは、明確に上記6つのことを意識してやっていたわけではないが、中途半端にやるのではなく、常に全力で、かつ、早く対応するようにしていた。結果として、上記6つ(1つ目はできていなかった気もするが)をしっかりやっていたのだと思う。

少し脱線するが、この「早く」という部分は、仕事においては、こちらが思った以上に価値を持つ場合が多いような気がする。確かに、誰かに「○○をしてください」とお願いして、さっとやってくれると、うれしいものである。逆に、なかなかやってくれず、こちら側で「待ち」の状態が発生すると、少しイラっとする場合がある。

話を元に戻すと、上記6つ(あるいは、5つ)をしっかりとやることで、仕事において、お互いに助け合える、良い人間関係を築いてこれたのかなと思う。

2014年ぐらいに社内のある技術分野(技術A)の部署から別の技術分野(技術B)の部署に異動したのだが、異動後も、元の技術分野の部署とやり取りすることが多かった。端的に言うと「技術Bを使って、技術Aを行う部署のDXを行う」というような仕事である。

技術Bの部署の人は、技術Aの部署とコネクションがないため、私が橋渡し役となって、いろいろなプロジェクトを行ったのだが、技術Bの部署の人から、「いろいろな人を知っていますね」とよく言われた。

その時は「10年ぐらい技術Aの部署にいたので…」ぐらいに考えていた。

ただ、2年前の留学中に当時を振り返る課題があり、改めて考えてみると、技術Aの部署にいる様々な人とのコネクションは、単にその部署にいたからというわけではなく、その部署で「周りの人たちと助け合いながら、常に全力で仕事をする」ということをやってきたからだなと思うようになった。

この考え・姿勢は引き続き大事にしていきたいと思う。

Emotional Bank Accountの一番大事なDepositは、ただ聞くこと、Judgingをしない、Preachingもしない、自分の経験も語らない。ただ聞いて、理解しようとすること。それが大事である

上記6つの内の1つ目のことだが、これが一番難しいと思う。

最近、チーム内で1on1をやるようになって、これは大事だな、という感覚が少しできてきたようには思うが、まだまだだなと思う。頑張りたい。

条件付きの愛では駄目である。条件なしの愛が、人を安心させ、自分が肯定されたと感じる。

子どもと向き合うときは、まさしくこうあるべきだと思う。

もちろん、自分のチームメートに対しても、こうあるべきだと思う。

Productに問題があるときには、Production Capacityを高める良い機会である。人間関係の問題でうまく成果が出せないときは、強固な人間関係を構築する良い機会になる。

これは前向きな考え方であり、覚えておくべきだなと思った。

チームからキーマンが抜けて、一時的にチームのパフォーマンスが落ちた時こそ、Production Capacityを高める良い機会だと捉えて、次のキーマンを育成すべき、ということだなと思った。

Habit 4: Think Win/ Win

最良の選択肢は、状況(現実)に依存する。その現実をいかに正確に読むかが一番難しい。

相手と勇気をもってコミュニケーションを行うことで、真のWin/ Winを実現することができる

最近、自分の周りで「Silo化しているのが問題だ」という話をよく聞く。

同じ部内であっても、隣の担当とうまくコミュニケーションが取れていないし、同じ担当内でも、その中の複数のチーム間でうまくコミュニケーションが取れていない、というのを目にするし、話にも聞く。

コロナで在宅勤務がメインになり、飲み会や雑談が減った、ということもあるが、結局、お互いに勇気をもってコミュニケーションを取ろうとしていないがために、本来、協力することでWin/ Winになることがあったとしても、その「Win/ Winになること」に向けて踏み出せていない、ということかなと思う。

で、そのWin/ Winの形が刻々と変わるからこそ、しっかりとコミュニケーションを取るべきである、ということかなと。

「じゃあ定期的に打ち合わせをすればいいのか?」というと、そうでもないのが難しいなと思う。定期的な打ち合わせだと、形骸化してしまいがちである。

また、「じゃあ何かプロジェクトを考えて一緒にやろう」というと、それはそれで一定の効果はあるが、そのプロジェクトを超えた何かにまで発展しない、という気がする。

何となくだが、あるチームAとあるチームBの間のSilo化をなくす、Win/ Winの関係を築く、というところを目指すのであれば、「チームAとチームBのWin/ Winのありたい姿」を描く必要があって、定期的な打ち合わせやある特定のプロジェクトでは、そういった「ありたい姿を描く」というコミュニケーションにまで発展しない、ということかなと思う。

で、「どないんすんねん?」という感じだが、だからこそ、「勇気をもって話す」という当たり前のことに帰着するのかと思う…

尚、上記文章は、もともと「あるべき姿」と書いていたが、ここは「ありたい姿」と書くべきだなと思った。「同じだろ」と言われそうだが、自分のやりたいを声にするのが苦手な日本人だからこそ、あえて「あるべき」ではなく、「ありたい」という言葉を使うべきだなと思った。

Win/ WinのSolutionsが見つからない場合は、Dealしない(No Deal)の選択肢を持つ。

No Dealの選択肢を持つことで、無理をする必要がなくなり、Openになることができる。結果として

逆に、No Dealの選択肢を取ることができないと、Win/ LoseやLose/ Winのような妥協をせざるを得ない

これは、例えば、ある部署との問題があったとして、

  • その問題が小さい状態で早めに対応しようと思って、その部署と交渉する場合には、「No Deal」の選択肢がある
  • その問題が大きくなって、外圧(例えば、上層部からの命令)で、その問題を解消するためにその部署と交渉するとなると、「No Deal」の選択肢がなく、良くない選択をせざるを得ない

みたいな話かなと思った。

元の文章と自分の考えたことに少し乖離がある気がするが、意外と本質は捉えている気がする…

Win/ Winを実現するには、以下の5つのポイントがある:

  • Win/ WinのためのCharacter

    • 3つのCharacter (Integrity, Maturity, Abundance Mentality) が大切である
  • Win/ WinのためのRelationship

    • Emotional bank accountsの残高が高く、両者がWin/ Winを実現することに深くCommitしているRelationshipが理想である
  • Win/ WinのためのAgreements

    • 5つの要素 (「Desired Results」、「Guidelines」、「Resources」、「Accountability」、「Consequences」) を明確化する
  • Win/ WinのためのSystems

  • Win/ WinのためのProcesses

    • Habit 5とHabit 6

この中で「なるほどな」と思った「Win/ WinのためのCharacter」に関して、以下でもう少し詳しく感想を書く:

Win/ WinのためのCharacter

Win/ Winのための心構えとしては、以下の3つが大事である:

  • Integrity: Habits 1, 2 and 3

  • Maturity: 勇気と配慮のバランス

  • Abundance Mentality(多くの人が成功できるという考え方)

※ Abundance Mentalityを持つことで、お互いを敬い、認め合い、助け合い、一緒に意思決定する。そして、結果的に、可能性、選択肢、Creativityを広げる。

1つ目は、これまでのHabits 1, 2, and 3だから良いとして、2つ目と3つ目も「大事な考えだな」と思った。

2つ目の「勇気」に関しては、特に日本人は相手に遠慮しすぎ、配慮しすぎな部分があるので、より強く意識するべきかなと思う(もちろん、海外の人と一緒に仕事をした経験上、日本人以外の人でも、結構、遠慮とか、配慮とかする人は多い、とは思うが…)

実際、私も自分のことを「遠慮しているな~」と思うときがある。「物怖じしている、ビビっている」と表現してもいいと思うので、まさに「勇気が必要」ということだと思う。

3つ目の「Abundance mentality」は、もしかしたらほぼ初めて出会う考え方かもしれないなと思った。その意味でも、大事な考え方だなと思う。

ヒトは、誰しも「損をする」、「失敗する」、「出世競争に負ける」とか、いろいろなNegativeなイベントを恐れるあまり、おかしな振る舞いをしがちだが、それは、真にこの「Scarcity mentality」に起因している、ということかなと思った。

ちなみに、少し話はずれるかもしれないが、ケチな人も「Scarcity mentality」を持っているのかなと思う。ケチであることが悪いわけではないし、質素さは美徳でもあるが、ケチすぎるのはQuality of Lifeを下げるよな、と思えるのは、この「Abundance mentality」を持つことができないことに起因しているのかもしれないなと思った。

Habit 5: Seek First to Understand, Then to Be Understood

大事なのは、まず理解すること、そうすることで、自分が言ったことを理解してもらえる、ということ。

  • Seek first to understand, then to be understood.
  • コミュニケーションをEffectiveに行うコツである。

要は、OpennessやTrustを生むCharacterに基づいたEmpathic listeningを身に着けなければならない。

多くの人が、答えるために聞いている。あるいは、自分自身のParadigmsに基づいてフィルタリングして聞いている。それでは駄目。

すべきことは、相手のことを理解しようとして聞くことである。相手の気持ちになって聞くことである。相手のParadigmを理解することである。

人が欲するものは、Psychological survival

Empathic listeningにより、相手に上記のPsychological airを与えることができる。

まさに、U-labの「Listen with Courage, Curiosity and Compassion」かなと思う。

「話を聞く」という点に関して、かなり道半ばだが、少しずつできるようになりたいなと思う。

Empathic listeningはRiskyでもある。自分が影響を受ける可能性が高くなる。Vulnerableになる。だからこそ、Habits 1, 2, and 3で、自分自身のしっかりとしたCoreを持つことが重要になる。

そうかもなと思った。

だからこそ、多くの人が人の話を聞かないのかもな、とも思った。

要は、自分が影響を受ける、自分がコントロールされそうになる、というのを避けるために、ヒトは、無意識の内に他の人の話を聞かない、ということかと。

また、自分自身のしっかりとしたCoreを持てば大丈夫、とのことだが、みんな、「自分自身のCoreを持っていない」ということも自覚していて、だからこそ、人の話を聞かないのかもな、とも思った。

良い判断の決め手は、その状況の理解である。

これは、まさにそうだなと思う。

で、状況の理解とは、それぞれの人と話をして、その人の話を聞く、という以外にない、ということかと思う。

四つのダメなListeningのアプローチ:

  • evaluate: 相手の言うことに賛成するか、反対する

  • probe: 自分の考えをベースに質問する

  • advise: 自分の考えに基づきアドバイスする

  • interpret: 自分の考えに基づき理解しようとする

Empathy listeningを行うための手法:

  • mimic content: 言った内容をそのまま返す

  • rephrase the content: 少し言い換えて返す

  • reflect feeling: 相手の感情を承認する(認める)

  • rephrase the content and reflect feeling (2つ目と3つ目を両方行う)

自分自身のAutobiographyや自分自身のParadigmに留まっている限り、相手の真の問題には行き着かない。

Empathy listeningを行うことで、Transformational leadershipが可能になる。

実は、Empathy listeningをしていると、往々にして、人は、自分自身で問題に到達し、自己解決する。

これは、最近、読んだ1on1の本に書いてあることと同じだなと思った。

1on1を始めたからと言って、劇的に変わるわけではないが、やる前よりやった後の方が、お互いに話しやすくなったなという感覚はある。

と言いつつ、まだまだ自らも話をしてしまうときも多いが。

最近、この手のLeadershipの本をよく読んでいるが、結局、同じことを言っているなと思うことがある。

すなわち、「Listen with Courage, Compassion and Curiosity」がLeadershipの根幹であり、かつ、難しい(難しくてなかなかできないからこそ、どの本にも書いてある)、ということかなと思った。

ただ、2年前に留学するまでは、そういう考えはあまりなかったなとも思うので、あの留学は貴重だったなと思う。

と同時に、それまでの18年ぐらいの社会人生活でのLeadershipに関する育成って何だったんだろう?とも思う。

いろいろ研修は受けたが、そういう観点での学びはあまりなかった気がする(単に、学び・気づきのネタは存在したが、自らが気付いていなかっただけかもしれないが)

他の人のことを深く聞くようになると、そのPerception (受け止め方) に大きな違いが生まれることに気づく。 人々と一緒に関わりを持ちながら働く場合、その違いが産み出す影響に大きく感謝することになる。 Diversityの考え方も、この部分が大事である。Diverseな人々を集めても、いさかいが生じるだけで、うまくはいかない。 但し、そこでお互いのことをListenし、理解しあうことができれば、より大きな事ができる。 相手のParadigmsやConcernsを深く理解しようとする中で、自分、あるいは、自分のアイデアのCredibilityが上がる。 また、その深く理解しようとする過程の中で学びがあり、自分の考えも変わっている(進化している)。

これは深いな~と思う。

この部分は、次の「Habit 6: Synergy」の部分だと思うので、そこで感想を述べたいと思う。

Habit 6: Synergize

これまでのHabits 1 ~ 5は、Habit 6のSynergizeのためにある。 Self-awareness, Imagination, Conscienceなどの人間の力と、Win/ Winを求める思い、Empathic communicationが、Synergyを起こし、奇跡を生む。Synergyは、Principle-centered leadershipのEssenceである。

単なる寄せ集めではだめである。異なるものが、お互いを認め合い、お互いを補完しあい、助け合い、よりOpenで、Trustingで、Givingな関係にあるとき、Synergyが生まれる。

Habits 1〜5をしっかりと身に着けた上で、Open, Trusting, Givingな関係、コミュニケーションを行うことで、可能性を大きく広げることができる。

ほとんど全てのCreative endeavorsは、ある程度、よくわからないものである。曖昧である。よって、Ambiguityに耐性があり、かつ、PrinciplesやInner valuesに基づいたIntegrity, Securityが必要である。

自分をさらけ出すからこそ、相手もSafeだと感じ、自分自身をさらけ出してくれる。

Win/ Winを考えるため、3番目の選択肢があると信じる。相手の言うことを心の底から聞き、最初に理解しようとするため、ValuesとConcernsのComprehensive pictureを描くことができる。 これらの、Higher Emotional Bank Account, Thinking Win/ Win, Seeking first to understandにより、Synergyが生まれる。

違いを大事だと思わなければならない。その考え方こそが、Synergyのessenceである。人々の間のMental, Emotional, Psychologicalな違いである。 自分は、自分自身の思い込み(the paradigms of my own conditioning)に限定されている、と理解する必要がある。

それぞれの人が、それぞれの人の見方があり、それは両方とも正しい。そして、その両方ともが正しいと考えるからこそ、Win/ Winの第3のAlternativeを見つけることができる。 他の人のPerceptionsに違いがあるとわかったときは、喜ばなければならない。「素晴らしい。あなたにとって、どう見えているかを教えてくれ!」と言わなければならない。

正直、自分の提案なり、アイデアなりに対して、Negativeな反応やら、批判やらがあると、構えてしまう部分がある(誰しもがそうかなとは思う)。

ただ、周りが「それはいいですね」と言うだけであれば、何の進化もないというのもまさにその通りで、この辺りの建設的な議論ができるような関係、雰囲気というのが、Teamとしてすごく大事なのだろうと思う。

この「Team」というのは、自分が管轄するグループという意味でのTeamの場合もあれば、隣のグループと一緒に仕事をする場合は、隣のグループも含めた意味でのTeamの場合もあると思う。また、他の部署と一緒に仕事をする場合は、その他の部署も含めた意味でのTeamとなる。

自分の管轄するグループと遠くなればなるほど、Emotional Bank Accountの貯金が少ないはずで、だからこそ、Emotional Bank Accountの貯金をいかに増やすかが大事なのかなと思った。

そして、Emotional Bank Accountの貯金が多ければ多いほど、自分自身も、相手のNegativeな意見や批判に対して、より前向きに受け止めることができそうだな、という感覚があるなと思った。

こういうのが、まさに「心理的安全性」ということかなと思った。

まずは、「自分のチームを心理的安全性を持つチームにしたいな」と改めて思った。

相互に依存する状況において、Synergyは、Growthや変化に対抗するNegative energyを扱うという点で、きわめて強力である。 変化を起こそうとするとき、Driving forcesとRestraining forcesの両方が存在する。Logical reasonsは、Driving forcesとなる。 最初はうまくいく場合でも、Restraining forcesが存在する限り、バネが元に戻ろうとするかのように、Negativeな力が働いてしまう。 しかしながら、the motive of Habit 4, the skill of Habit 5, and the interaction of Habit 6の3つにより、そのRestraining forcesをうまく扱うことができる。

「Logical reasons」というのはダメだよ、というのは、ちょっと前に読んだ「Think Again」にも書いてあったような気がする。

「Logical reasons」を言うと、相手は自分がコントロールされそうになるという恐怖を持ち、逆に心を閉ざしてしまう、という話だったかと思うが、まさにその通りだなと思う。

やはり「Seek First to Understand, Then to Be Understood.」だな。

この辺の心理をしっかりと整理して体系立てて説明できる人はすごいなと思う。

  • You can be synergistic within yourself even in the midst of a very adversarial environment.
  • You can exercise the courage in interdependent situations to be open, to express your ideas, your feelings, and your experiences in a way that will encourage other people to be open also.
  • You can value the difference in other people.
  • When you see only two alternatives—yours and the “wrong” one—you can look for a synergistic third alternative.
  • Life is a team sport

この「Life is a team sport.」はとても良い言葉だと思う。

Habit 7: Sharpen the Saw

ついに最後のHabitである。

このHabitは、単に、Habits 1~6をしっかりと磨け(のこぎりを研げ)、というのがポイントのようである。

  • いくら良いのこぎりでも、研がないと切れないよ
  • あるのこぎりでずっと切り続けるより、いったん手を止めて、のこぎりを研いだ方が、作業もはかどるよ

ということかと。

以下のように、4つのDimensionsでののこぎりの研ぎ方が書かれている:

  • Physical: しっかり運動し、休息を取り、体調を管理する。時間をかけて行う。短期間では何も得られない。

もうすぐ45歳になり、歳を取ったなと思う今だからこそ、おっしゃる通りだなと思う。

  • Spiritual: 自分のコア、中心、自分自身が価値だと思うことへのCommitmentをしっかりと持つこと。Habit 2である。例えば、読書や瞑想により、Spiritualの部分をRenewalする。こちらも時間がかかる。

確かに、こういうLeadershipのような本だけでなく、映画や本などで心をリフレッシュさせるのは大事だなと思う。

  • Mental: 学び続けること(continuing education, continually honing and expanding the mind)。人生のより大きな疑問や意味、Paradigmsに関して調べ続けること、考え続けること。様々な読書やいろいろな人の意見に触れることも、学びの1つである。書くことも、Mental sawを研ぐ1つの手法である。こちらも時間がかかる。

そういや、先日、留学時代の友人(今は、San FranciscoのBay Areaで働いている)が日本に帰ってきていたので、2時間ほど会って話した際に、お互いに「学び続けるって大事だよね」と確認しあった。

大事だと思う。

  • Social/ Emotional: Habits 4, 5, and 6。Habits 1, 2, and 3も、Habits 4, 5, and 6も、実際に行うことは難しいため、日々の訓練が必要である。Win/ WinのAlternativeがあると信じ、相手の言うことをまずは聞く。そして、Synergyを生む。Emotionが大事である。(It’s highly related to our sense of personal security.)自分自身の内部から出てくるものである。(It comes from accurate paradigms and correct principles deep in our own mind and heart.)

少し話が飛ぶかもしれないが、昨日、子どもと一緒に「バケモノの子」を見た。

そこで、『くまてつ』が、

あるだろ!?胸ん中の剣が!胸ん中の剣が重要なんだよ!!ここんとこの!!ここんとこの!!

と言っていた。

まさにこの「胸ん中の剣」が大事だなと思う。

PhysicalとSpiritual、Mentalは、“Daily Private Victory”である。1日に1時間、上記のための時間を設けるとよい。自分自身のCharacterは、一朝一夕では身につかない、変えられない。 ※ Social/ Emotionalに関して、意味のある形で他の人を助けるという気持ちが大事である。

「一朝一夕では身につかない」 というのが大事だなと思う。

子どもの頃に 「継続は力」 という紙が壁に貼ってあって、今でも覚えている。

まさに、「継続は力」で身に着けろ、ということかなと思う。

人は、周りの人や社会の影響を受ける。周りの人の意見や見解、考え方の影響を受ける。我々は、周りの人に良い影響を与えるようにしたほうがよい。

自分だけではなく、周りの人にも良い影響を与えていきましょう、ということかと思う。

意識している場合もあれば、意識していない場合もあるような気もするが、いずれにせよ、説教くさくならないように、自然体でそういった良い影響を与えたいなと思う。

組織の場合は以下のように読み替える:

Physical = Economic

Mental/ Psychological = the recognition, development, and use of talent

Social/ Emotional = Human Relations (人がどう扱われるか)

Spiritual = Finding meaning through purpose or contribution and through organizational integrity.

今の自分のチームで置き換えると、

  • Physical = 成果
  • Mental/ Psychological = いかに成長できるか
  • Social/ Emotional = Teamとしてお互いを信頼しているか
  • Spiritual = チームが作る基盤の意義 or 会社そのものの意義

ということかと思う。頑張ろう。

人には休みが必要である。Take a break!

確かに。

この本の感想を書くのは大変だった。Take a break!

「The 7 habits of highly effective people」を読んで 〜 Part 2 〜

前回に引き続き、「The 7 habits of highly effective people」を読んだ感想を書く。

今回は、Part 2の「Private Victory」に関して感想を書く。

Private Victoryとは、シンプルに「個人としてどう生きるか?」であり、以下の3つのHabitsに対応する:

  • Habit 1: Be proactive
  • Habit 2: Begin with the End in Mind
  • Habit 3: Put first things first

以下に、それぞれのポイントと所感を記載する:

Habit 1: Be proactive

生き物は、何かの刺激を受けてから、反応を返す。 ここで、「何かの刺激を受けた後に、何らかのInitiativeを取って、反応を返す」ということができるかがポイントになる。

例えば、動物は、何かの刺激を受けた際に、本能の赴くまま反応を返す。 人間もそのような反応を返しがちだが、あるべき姿は、「意志を持って、Initiativeを取って、反応を選択すること」である。

要は、Reactiveな反応ではなく、Proactiveな反応をすべき

なお、Proactiveなヒトは、Circle of Influenceの中で努力することにFocusする

ある残念な事件に出くわした時に、いかに立ち直るか、前向きに生きるか、ということかなと思う。

例えば、チームメンバーの1人が転職するとなった時に、もちろん、気分は落ち込む。この「気分が落ち込む」というのがReactiveな反応だと思う。

ただ、その後で、いかにProactiveに対応するかが重要なのだと思う。

例えば、

  • これまでのチームマネジメントを振り返り、そのチームメンバーに対して、原理原則に基づいて行動できていたかを振り返る
  • 行動できていれば、OK。行動できていなければ、過ちを認識して、修正する
  • プラスアルファで、チームに残るインセンティブを強くするために、どういうチームであるべきか、何が必要かを考え、アクションを行う
  • 金銭面の待遇など、自分のCircle of Influenceの外の問題であれば、諦める
  • チームとしてのVision、やりがい、成長する機会であれば、Circle of Influenceの中であり、もっと頑張る

といったところかなと。

「言うは易し、行うは難し」だが、こういうマインドを持つことは大事だなと思う。

Circle of Influenceを広げるべき

すなわち、「環境・状況に対して、自身の反応を選択する」という点に加えて、環境・状況を変えていくことで、Circle of Influenceを広げていくことができる

その場合にInside Outで行う。自分自身に働きかけることで、環境・状況を変えていく。

確かにそうだなと思う。

自分の役職よりも、一段高い役職を意識して、アクションを起こし続けると、自分が貢献できる範囲が少しずつ増えていき、結果として、成果を出すことができる、という感覚があるが、まさにこういうことなのかなと思った。

この「一段高い」、「自分自身に働きかけていく」という部分が、いわゆる、「Growth Mindsetで」とか、「Get out of your comfort zone!」とかって話かなと思う。

また、社内の兼務(例えば、R&Dのチームのリーダーが、事業部門のチームのリーダーを兼務するなど)はこのCircle of Influenceを広げるのを助ける、という意味があるのかなと少し思った。

Actionsは選べるが、結果(Consequences)は選べない。 結果がうまくいかなかった場合は、過ちを認め、正し、そして、学ぶ。 自分、及び、他人にコミットし、その小さなコミットメントを守り続けることが大事。

信じてやり続けろ、ということかなと思う。 で、信じてやり続けるためには、やはり原理原則が大事、ということかなと思った。

Habit 2: Begin with the End in Mind

人生の最終目的を心の中に持つ 自分のお葬式に知り合いが集まったときに、自分について何を話すかをイメージする

建築でも、旅行でも、まず設計図/旅程表があって、実際の作業(建築/旅行)が行われる。 この前工程(設計図/旅程表を作成する)が、「人生の最終目的を心の中に持つ」に対応する。

油断すると、他人が決めたScriptsに影響されてしまうため、自分自身の原理原則に基づくべき

人生の最終目的を心の中に持つためには、右脳を使う必要がある

正直、普段、あまりこういったことは考えないなと思う。 他の人は考えているのだろうか。面と向かって話すのは恥ずかしいので、他の人には話さないだけなのだろうか。

と言いつつ、2019年〜2020年にビジネススクールで勉強していた際は、あの手この手で、こういったReflectionを行う課題が出され、いろいろ考えたなと振り返ってみて思う。貴重な時間だった…

自分自身のMission Statementを書く

Mission Statementは、Deep introspection、Careful analysis、thoughtful expressionに基づき、何度も何度も書き直しながら、書かなければならない。

実は、この本を読んだのは数ヶ月前で、その時はMission Statementを書かなかった。

今回、試しに書いてみた(と言っても、10分もかからなかったが)。

半年後に読み返してみようと思う。

Leadershipは、正しい壁に梯子をかける行為であり、Managementは、その梯子を効率的に登る行為である。

Effectivenessは、どの壁に梯子をかけるかに依存する。

Leaderは、どの壁に梯子をかけるかに取り組む必要がある

  • どの方向性に進むかを決める

  • 文化を醸成する

  • 問題を深く分析する

  • 新しい機会をとらえる

↑ チームリーダーがやるべきことが「ぴしっ」とまとめられている気がする。

Habit 3: Put First Things First

Quadrant II (Not urgent, but important) を最初にやる

Quadrant II を実行するには、よりInitiativeとProactivityが必要である

Problem-mindedの人はQuadrant Iに囚われ、Opportunity-mindedの人はQuadrant IIにしっかり時間を使いP/ PC balanceを維持する。

Quadrant III/ IVに対して「No」と言う勇気が必要である。

言われてみれば当たり前の話だが、この本を読んで、「あ〜、こういう考えは大切だな」と思った。

また、「Habit 1, Habit 2がしっかりしているからこそ、何が大事かがわかる」というのもまさにその通りだなと思う。

繰り返しになってしまうが、よくできた本である…

1週間で考える。日曜の夜に計画を立てる。

  • 1週間の役割を考える

  • 1週間のゴールを書く

  • 1週間の計画を立てる

  • 上記1週間の計画に基づきつつ、毎日を微調整する

1週間がちょうどいいらしい。 早速、しばらく試してみようと思う。

人との関係は、Efficiencyを求めてはいけない。Effectivenessを求める。

ものとの関係は、Efficiencyを求める。

なるほどな、と思った。 また、「人との関係にEfficiencyを求める人が多そうだな」とも思う。 この文章を読んでいて、「きっと1on1はこの人との関係にEffectivenessを求める営みなのだな」と思った。

「任せ方」

  • Desired results: 任せた場合のDesired resultsを明確にする

  • Guidelines: やり方を教えるが、細かすぎてはいけない。(細かすぎると、Gofer delegationになる)

  • Resources: 必要なリソースは提供する

  • Accountability: 評価の基準を明確にする

  • Consequences: 良い評価 or 悪い評価の後に何が起きるか(昇進など)を明確にする

「任せ方」が簡潔にまとまっているなと思う。

感覚的に「任せる」といった場合に、ただの「放ったらかし」になりがちなため、いい感じの仕組みが必要だなとは思う。

と言いつつ、難しいけど…

何となくだが、今の仕事では、「自分の専門と少しずれている」、「技術の進歩が速すぎる」という2点から、

  • Desired results: 何となくわかるが、現実的なDesired resultsを明確に提示できていないかもしれない
  • Guidelines: やり方がわからない場合がある
  • Resources: お金以外の必要なリソースがわからない場合がある
  • Accountability: よくわからない
  • Consequences: よくわからない

というケースが多い気がする。

シンプルな解決策は、上記をわかる人を味方にする、ということかなとは思うが。

「The 7 habits of highly effective people」を読んで 〜 Part 1 〜

はじめに

Stephen Coveyの「The 7 habits of highly effective people」を読んだ。

何度か、本屋で日本語に翻訳された本を目にしたことがあったが、こういう「人生とはこう生きなさい」みたいな本は嫌だなと思い、手にしたことはなかった。

とは言え、冷静に考えると、最近は「人生とはこう生きなさい」みたいな本ばかり読んでいるなと思い、読んでみることにした。今回も、英語の勉強も兼ねて、英語のまま読んだ。

感想は長くなりそうなので、何回かに分けて書こうと思う。

本の概要と感想

各習慣のポイントをダイジェストで記載すると、以下となる:

  • Habit 1
    • 自分の中の原理原則、望むべき結果に基づいて行動する (Based on principles)
    • 前向きな言葉で考える (Be proactive)
    • 自分がコントロールできる場所(Circle of Influence)で頑張る
  • Habit 2
    • 最終形をイメージする
  • Habit 3
    • 重要でないものを排除する
    • 毎週計画を立てる
  • 他人との関係においては、貯金を貯めることを心がける
  • Habit 4
    • 「(お金でも、チャンスでも)たくさんある」というMentalityで望む
    • Win-WinのSolutionsを考える
  • Habit 5
    • 傾聴する、相手の話を聞く
  • Habit 6
    • 違いを尊重する
  • Habit 7
    • 生み出すものと生み出すための能力のバランスを取る

正直、「この本は、あるべき生き方をなんて簡潔にわかりやすく伝えてくれるだろう」と素直に感心した(感心というと少し上から目線な気もするが)。

「そら、ベストセラーになるわ」と思う。

ちょっとした思考実験

試しに、今、始めようと思っているプロジェクトに関して、差し障りのない範囲で上記7つの習慣を適用してみた:

  • プロジェクトの概要: 〇〇部とともにDevOpsを行う
    • Principes: 周りの人々の成長を助ける
    • 最終形: 全社的なBizDevOpsを実現し、R&Dの成果を最大化する
    • Circle of Influence: 今のチームの立ち位置、特性を最大限に活かして貢献する
    • Quadrant II (Not urgent, but important): 〇〇部との対話(特に最初の対話)は、ついつい後回しにしがちだが、重要なものである
    • 〇〇部との関係においては、貯金を貯めることを心がける
    • 「(機会は)たくさんある」というMentalityで望む
    • 〇〇部と自部門のWin-WinのSolutionsを考える
    • 〇〇部の言うことを傾聴する、○○部の話を聞く
    • 〇〇部と自部門との違いを尊重する
    • 生み出すもの(短期的な成果)と生み出すための能力(中長期の成果)のバランスを取る

正直、わかったような、わからないような内容だが、より前向きな気持ちで進められそうである(ほんまか?)

「原理原則を大切に」、「Inside Out」、「P/ PC Balance」

ついでに、Introduction部分で「なるほどな」と思った部分に関して、軽く感想を書く:

原理原則を大切に

ポイントを簡潔にまとめると、

  • 自分自身のコアとなる原理原則を大切にする
  • それは、高潔、謙虚、誠実、節度、勇気、正義、忍耐、勤勉、簡潔さ、慎み深さなど
  • コミュニケーションスキルや前向きな考え方などのテクニックは意味がないとは言えないが、上記コアがないとメッキが剥がれる

というものである。

至極、まっとうな考え方である。

一方で、昨今の日本の教育では、あまり重視されていないのかなとは思う。本や漫画を通して、そういう部分を学ぶことはあるが、学校の授業で習った記憶はない。学校の道徳の授業は、差別や同和教育に重きを置いている気がしていて(と言いつつ、あまり記憶に残っていないが)、ちょっと違うのかなと思う。

また、こういった原理原則の部分は、昔の東洋的な教育のイメージがあり、西洋的にはないがしろにしているのかな、と勝手に思っていたが、そうでもないのだなと思った。

きっと、

  • キリスト教などでは、そういった道徳的な部分をしっかりと扱っている
  • 成果主義、合理主義、お金儲け主義といった部分が強調されてこちらに伝わっている

ということかなと思う。

話がずれたが、こういった原理原則に関して、正面と「大事にすべき」と言うことや改めて自分の中で確認することは大事だなと思った。

「Inside Out」

2015年ぐらいに受けたリーダーシップの研修(1年ぐらいかけて行う研修)で、講師の人から、

  • 人は変えられない。人を変えたいと思うなら、自分を変えるしかない。

と言われたことがある。

「なんだか、逆説的な言い方だな」と思い、わかるような、わからないような感じで訊いていたが、今でも覚えているということは、自分の心の中に引っかかっている部分があるのだと思う。

※ 厳密に言うと、奥さんとの関係において、常にこの言葉を思い返す…

いずれにせよ、この本でも同じことが書かれている。(もしかしたら、あの講師の人はこの本を読んだ上で話していたのかもしれないが…)

要するに、

  • 上記原理原則は変わらないが、ものの見方/考え方(Paradigms)は変わる
  • 自分のものの見方/考え方と、他人のものの見方/考え方は違う
  • その違うということを理解した上で、自分のものの見方/考え方を吟味し、他人のものの見方/考え方がどのようなものかを知ろうとする必要がある
  • それが「自分を変える」ということである

ということかなと思う。

相変わらず、わかるような、わからないような感じだが、こういう視点を持つだけでも、柔軟なスタンスで、いろいろな人と仕事をすることができそうだなとは思う。

「P/ PC Balance」

Pが「Production」、PCが「Production Capability」であり、そのバランスを取ることが大事という話。

この本では、金の卵を生むガチョウの話が例として提示されていた:

「毎日、金の卵を生むガチョウがいた。1日に1個の金の卵だと待てないので、ガチョウを殺して中を見たら、ただ死んでしまい、もう二度と金の卵を得られなくなった」という話。

自分の身の周りで言うと、数年前の

  • ある研究を行う部署で、短期的な成果を出すために、若手に契約関連の雑用を押し付けていた

という事例がそれにあたるのかなと思った。

本来、いろいろな技術的な知識、スキル、経験を身につける時期に、雑用に明け暮れると、5年先、10年先の研究開発力は損なわれるのだろうなと思う。少し離れた部署の話(Circle of Influenceの外の話)なので、「大丈夫かな?」と遠くから心配しているだけだったが…

Adam Grantの「Think Again」を読んで

本の概要

Adam Grantの「Think Again」を読んだ。この本のポイントは、一言で言うと、

  • 「Rethinkすること」が大事である

となる。

もう少しだけ具体的に書くと、

  • 人はRethinkするのが苦手である
  • 何故なら、自分が信じているものを再考することは、自分のIdentityが脅かされ、自分自身を失うかのように感じるため
  • しかしながら、変化の激しい世の中では、人は、使えなくなった知識や意見を捨て、柔軟に自分の考えを変えていく必要がある

というのが、著者のメッセージである。

読んでいて、確かに人はRethinkするのは苦手だし、何かを捨てるのも苦手だなと思った。

例えば、例がしょぼすぎる気もするが、資料作りでも、この「Rethinkできない」という場合があるなと思った。資料作りの上手くない人は、一度書いた文言を捨てることができず、あれもこれも詰め込んで、よくわからない、という資料を作る傾向にある。確かに、その文言自体は、面白かったり、インパクトのあるメッセージだったりはするのだが、その資料全体で見ると、いつのまにか不要になっているという場合が結構あるが、そういう人は、なかなかその文言を捨てることができないらしい。私自身は、最近は、「捨てることが大事だな」と思うようになってきており、いい感じに捨てることができている、と勝手に思っているが…

いずれにせよ、そういった「言われてみると確かにそうだな」という部分に光を当て、かつ、「こうやって克服すべきだ」という納得感のあるメッセージとして文章にまとめるのはすごいなと思う。こういうのは、やはり欧米人(もしくは、米国人)が得意なところだな、と思う。

40歳前後で、自分のスタイルをどうしようかと思い悩む人にはお薦めの本かなと思う。

もう少し具体的な所感

上記の記載だと、あまりにも概要すぎるため、もう少し具体的な「気になった点。なるほどなと思った点」を以下に書く:

Intelligenceには2種類(「Think and Learn」と「Rethink and Unlearn」)ある

学校の成績がいい人は、「Think and Learn」に長けているが、「Rethink and Unlearn」には弱い場合がある。そういう人(学校の成績はいいけど、Rethinkがうまくない人)は、社会に出て活躍できない。変化の激しい世界では、2つ目のIntelligence(Rethink and Unlearn)が必要である。

→ こういう視点で、人を見たことがあまりないので、「そういう視点があるのか」と思った。と言いつつ、「Rethink and Unlearn」に長けている人を見極めるのはなかなか大変そうだが… もしかしたら、「あ、この人は素直だな」と思う人は、「Rethink and Unlearn」に長けているのかなと思う。

RethinkできないモードとRethinkできるモード

人には、2種類のモードがある:

  • Rethinkできないモード
    • Preacher mode: 伝道師のように自分の考えを押し付ける
    • Prosecutor mode: 他人の考え・理屈に問題を見つけ、それが間違えていることを証明するために議論をふっかける
    • Politician mode: 政治家のように、周りの人を喜ばせようと、話をする

※ このモードでは、The Overconfidence Cycle (Pride -> Conviction -> Confirmation & Desirability Biases -> Validation -> Pride)に陥る

  • Rethinkできるモード
    • Scientist mode:
      • 常に自分の理解の限界を意識する
      • 自分が知っていることに疑いを持つ
      • 自分の知らないことに興味を持つ
      • 新しいデータに基づき、自分の見解を更新する

※ このモードでは、The Rethinking Cycle (Humility -> Doubt -> Curiosity -> Discovery -> Humility)に居続ることができる

Rethinkできないモードは、自分の考えが間違えているかもれいないとなった場合に、自己防衛的に発動される。そして、それに夢中になりすぎて、Rethinkすることを止めてしまう。

人は、Confirmation bias (見ると予想していたものを見てしまう)、Desirability bias (見たいと思うものを見てしまう)という2つのバイアスが働くため、意識してRethinkできるモードに居続けようとしない限り、Rethinkできないモードに陥る。

→ 確かにそうだなと思う。Growth mindset vs. Fixed mindsetと同様で、どちらかというわけではなく、時と場合によって、RethinkできないモードとRethinkできるモードを行ったり来たりするのだと思う。また、年齢、経験を重ねるとともにRethinkできないモードに陥りやすくなるのだと思う。だからこそ、Rethinkできるモードに居続けようと思わなければいけないと思う。

→ また、Growth mindset vs. Fixed mindsetのように、「Rethinkできないモードであった時を意識し、それを紙に書く」というのは、Self-awareness, Reflectionという意味では有効なのでは、と思った。

Summit of Mount Stupid

初心者からアマチュアになった時に自分を過大評価する。 経験を積むことで、謙虚な心を忘れてしまう。 自分の成長にプライドを持つようになり、自分はできるという間違った感覚を持ってしまう。 そういう状態をSummit of Mount Stupidという

→ 個人的に、「そういうことがあったなぁ」という記憶はないが、確かにそうかもな、と思う。先日、社内でセキュリティのインシデントがあった際に、有識者の人が、「普段からシステムを使い慣れている人こそ、マニュアルとかガイドラインを見ずに進めてしまうので、こういうことが起きる」と言っていたが、まさにそういうことかなと思う。

バランスの取れた謙虚さ(Confident Humility)を持つ

Confidenceは、ありすぎても駄目だが、なさすぎても駄目。 具体的には、自分自身の能力には自信(頑張れば成長できるという自信)を持つべきだが、自分が今持っている手段、ツールに関しては、常に謙虚に疑問を投げかけるべき それを、Confident Humilityを呼ぶ

Confident Humilityを持つことで、RethinkingのMindsetを持てるし、かつ、そのRethinkingの質が向上する

  • 自分の信念を修正する意思のある人は、良い仕事ができる

  • 自分が知らないときに、知らないと認めることができる人は、より効果的に学ぶことができるし、チームに貢献することができる

  • 自分が知らないということを認めている人は、より確かなもの(考えや事実)を探そうとし、自分の意見とは異なるドキュメントを読もうと心がける

強いリーダーは、自信もあり、かつ、謙虚な人である

自分にDoubtをもつことは悪いことではない。

  • 自分にDoubtを持つからこそ、より一生懸命頑張ろうとする

  • 自分にDoubtを持つからこそ、自分自身の戦略を見直し、より工夫する

  • 自分にDoubtを持つからこそ、よりいろいろなことを学ぼうとする

→ どの部分で自信を持つべきで、どの部分で謙虚であるべきか、がピシっと書かれており、「なるほど」と思った。How Google Worksという本で出てきた「Learning Animal」という人は、こういうConfident Humilityを持つ人のことだな、と思った。

→ 後、日本人は謙虚すぎるところがあり、「Humilityを持て」という必要はないが、「成長し続ける自分の能力には自信を持て。ただ、今ののやり方や手法、あるいは、自身のスキルや知識に関しては、常に謙虚であれ」というアドバイスがいいのかなと思った。

間違いを指摘されることに喜びを感じるべき

自分自身の間違いを指摘されることに喜びを感じるべき

しかしながら、人は、自分自身の間違いを指摘されると、すなわち、自分の信念に疑問を投げかけられると、心を開くのではなく、心を閉ざしてしまう(傾向にある)

では、どうするか?

以下の2つからDetachすべき

  • 過去の自分から、現在の自分をDetachする

    • 過去の自分に囚われない。過去の自分と違うということは、成長しているということ
  • 自分のIdentityから、自分の意見をDetachする

    • Principle (価値)に基づくのは良い。例えば、医者: 人を健康にする、先生: 人が学ぶのを助ける

    • 但し、その手法に関しては、Flexibleになるべき。その手法を自分のIdentityとしない。

    • 昨日持っていた意見へのCommitmentを捨てるMindsetが必要

すなわち、新しいEvidenceが出てくれば、Flexibleに自分のやり方を変えるべき。

Scientist modeで、すなわち、自分の判断を疑うConfident humilityと、新しい情報を発見するための好奇心を持って、何度もRethinkする

→ おっしゃる通り(なかなかできないけど)

一度、行った決断を修正するのは大変

決断するためには少しの情報で良いが、その決断を修正するためには多くの情報が必要になる

→ これもおっしゃる通りだなと思った。最初の決断は、結構、簡単に下せるけど、一度下した決断を修正するのはめちゃめちゃ大変というのは、特に、日本の社会では、よくある気がする。と言って、なかなか決断しないのも問題だけど。という意味で、やはりLean Startup的に、Batch sizeをできるだけ小さくして、細かいExperimentsを繰り返し、学びながら修正していく、というスタイルが正しいのだとは思う。どんなことに関しても、鉄則なのだと思う。

どんどん間違えて、進化すべき

Jeff Bezosの言葉: 正しい人は、たくさんの意見を聞き、何度も自分のマインドを変える。自分のマインドを頻繁に変えない人は、たくさん間違いを犯す。

自分の意見ができたときに、何が起きると、その意見がFalseになるかを自分に問いかける。その後、自分の考えをトラックし、いつ正しく、いつ間違いだったかをチェックして、どのように自分の考えが進化したかをモニターする

間違いを認める人の方が、周りの人から信頼される

自分自身への意見にChallengeされることは、自分の考えを構築し、進化させる機会だと捉えるべき。自分自身の考えが否定されることにワクワクするべき。

真実を追い求めるScientistのように、自分の考えが間違えていると証明されるとしても、真実を追い求めるべき

→ なかなか難しいよな~とは思いつつ、おっしゃる通りだと思う

→ 後、意外と心の中では「自分が間違えているかも」と思っている部分もあるので、こういう本を読むことで、どんどん自分の間違いを認めていこうと思えるのはいいな、と思う。

Task Conflictを起こせるチームを作る

Teams with Task conflictは良いチーム。

Teams with Relationship conflictはダメなチーム。ただ仲が悪いだけ。

意見が異なる場合に、それをしっかりと議論し、方向を合わせ、仕事を進める。それをひたすら繰り返す

そういうチームは、考えにDiversityがあるため、Overconfidence cyclesの罠に陥りにくい

謙虚になり、疑いを持ち、自分たちが見落としていることに気づきやすい

→ Diversityが大事だ、というのは、最近、誰もが口にするが、「なぜ、Diversityが必要か?」をスパッと教えてくれる人はなかなかいない気がする。Business schoolにいた時にも、あえてConflictを起こすような仕組みが用意されていた気がするが、「なぜ?」は教えてもらわなかった気がする。「Marketingの観点でDiversityは有効だ」という説明も聞いたことがあるが、それだけでは不十分だな、と思う。という意味で、この「Overconfidence cyclesの罠に陥りにくい」というのは、その「なぜ?」に対するかなりすっきりする回答だなと思った。

Constructiveに衝突する親の子ども

Constructiveに衝突する親の子は、クラスメートに対して、よりhelpfulnessとCompassionを示す。

→ ほんまに?

Challenge Networkを持つべき

RethinkingのためにはChallenge Networkが必要

  • 信頼関係があるという前提で、Blind spotsを指摘し、弱点を克服するのを助けてくれる

  • DisagreeableなメンバーがChallenge Networkになる

  • 常に疑問を投げかけ、Rethinkingを促す

Leadersは、Task conflictをFosterすべき

  • Leadersは、周りCritical Feedbackを与えてくれる人、避難してくれる人を置く

  • 逆に、Leadersが、批判してくれる人を遠ざけると、チームは弱くなり、パフォーマンスは落ちる

  • 但し、心理的安全性は必要。チームメンバーがFeel committed and supportedである場合のみ、不満がCreativityを促進する

→ 「言うは易し、行うは難し」だなとは思うが、特に、日本の社会では、「上が言うことには無条件で従う」という傾向が強いため、肝に銘ずるべきだな、とは思う。

Disagreeableな人は、Think againを促すだけでなく、Agreeableな人が気分よくTask conflictを起こせるようにしてくれる

→ (そもそもこの解釈で合っているのか、という気はするが、)それはそうかもな、と思った。最初に、強い意見を言ってくれる人がいると、議論が盛り上がる、というのは、よくある気がする。

Leadersは「Debateしよう」と言うべき。

すなわち、言い争いではない、建設的なdebateを推奨し、反対意見を考慮することや自分の考えを変えることにOpenであるということを示すべき

→ 最近、米国のシリコンバレーのオフィスから戻ってきたチームメンバーが、「Debateしよう」と言って、チーム内でDebateをした。正直、日本のチームで、この手の議論をしようとすると、「誰も意見を言わずに終わる」となりそうだが、そのチームメンバーは、「○○さんはどう思いますか?」、「じゃあ、次、□□さんはどう思いますか?」と、ばしばしとCold Callsを行うことで、かなり良い議論ができた。「なるほど!こうやるのか!」と素直に感動?(感心?)した。まさにそういうことかと。

"how"について議論すべき

"how"についての議論は、Rethining Cyeclを起動する 知識のGapに気づき、自らの結論に疑問を抱く そして、Extremeではなくなり、Alternative optionsに興味を持つようになる

→ 正直、そこまで腑に落ちた感じもしないが、次、何か仕事や議論でStackした場合には、これをやってみようかなと思った。

交渉の極意

優れた交渉のプロのやること:

  • Common groundを見つけるための事前準備を行う

  • 自分側の理由はあまり提示しない。

    • たくさんの理由を並べると、自分の主張を弱めてしまう
  • 相手にCuriosityを示す。質問する。

  • Scientist modeで交渉を行う

  • 相手が良い点を主張する場合は、それを素直に認める

  • 相手の強いところを認め、そこから学ぼうとする

相手の立場から見た、上記のポイント: - 共通のGroundを見つけ、それはいいね、と言うと、相手(人)もその姿勢を真似ようとする

  • 1つか2つのCohesive, compelling reasonsを聞くと、相手(人)は自分の意見に疑いを持ち始める

  • Genuine questionsを投げかけると、相手(人)は、より多くのことを学ぼうとする

要は、相手を説得する必要はなく、自分は間違っているかもしれないという可能性に対して、心を開くように仕向けるだけでいい。後は、その人の好奇心が残りの作業を進めてくれる

合意できないときは、合意できないことに合意する そして、お互いを理解し、LearnするうことにFocusする どうしたら、より効果的にDebateをHandleできるかを議論する

→ そこまで激しく交渉をしたことがないので、「そうかもしれないな」ぐらいの感覚しかないが、いつか交渉するときが来た時のために、頭の片隅で覚えておこうと思った。

Group Polarization

人は、Groupで考えると、よりその偏った考えが増長される。

ヤンキース vs. レッドソックス」といった敵視は、たいていの場合、どちらかの側についていることは、偶然であることが多い(その街で生まれ育ったから、など)。

人は、立ち止まり、深く考えると、そのようなStereotypesがばかげたものであることに気づく。

そういう偏見やStereotypesをなくすには、その人々と会って話すのが大事

Motivational Interviewing

人は、説得されそうになると防御する よって、説得するのではなく、その人自身が変わるための同期を見受けることを手助けすることが大事 すなわち、相手のOverconfidence cycleを壊し、新しい可能性を見つけることを助ける

具体的には、以下の3つの手法を駆使する:

  • Asking open-ended questions

  • Engaging in reflective listening

  • Affirming the person's desire and ability to change

例えば、子どもにワクチンを打つことを拒否する母親に対して、

  • なぜ、ワクチンを打たないと決めたのか?を質問する

  • その答えをしっかり聞く。そして、その答えをまずは受け止める。

  • ワクチンを打つか打たないかは、あなたの「自由」であると伝える

    • 人は、他の誰かが自分の決定をコントロールしていると感じるからこそ、それに対抗しようとして抵抗する
  • そして、Next stepに関してSummarizeする。→ その人をいい感じにGuideするイメージ

→ 「なるほどな」と思う。チームメンバーにアドバイスするときとかは、上記を意識しようと思う。

→ また、自分が説得されそうになる場合に、「人は、他の誰かが自分の決定をコントロールしていると感じるからこそ、それに対抗しようとして抵抗する」という心理は、確実に存在するなとも思う。

Listeningは素晴らしい

Listeningは、相手がとこちら側の両方にOpennessをもたらす Listening(相手の話を聞くこと)は、相手側がそのスタンスを再考することを促す Listening(相手の話を聞くこと)は、こちら側に情報を与え、自分自身の考えに疑問を投げかける

→ なるほど!!!だから、「1on1」は効果的なのだな、と思う。

Solutionsではなく、Sympathyが必要

人は、往々にして、Preacher, Prosecutor, Politicianになってしまう。 それでは駄目 相手は、Solutionではなく、Sympathyを求めている Empathetic, nonjudgmental, attentive listenerとの対話は、人々の不安を和らげ、守ろうとする心なくす

Great lisntersは、相手が自分自身の考えによりHumility, Doubt, Curiosityを持つように手助けする。 人は、自分の考えを口に出すときに初めて自分の中の新しい考えに気づくことがある

まずは会話から始める。そして、Trusting relationshipを築く。 相手にプレッシャーを与えない。 最終的に、相手に考えさせ、相手に決定させる自由を与える

→ まさに、「1on1」で実践していることだなと思う

「Simple but wrong」 vs. 「Complex but right」

Black vs. Whiteのような、シンプルな議論にすると、人は馬鹿になる。 人は、シンプルさを求めようとする傾向があるが、それは、結果的に、Overconfidence cyclesに陥るだけである。 逆に、人は、より複雑な事象を理解しようとすることで、Overconfidence cyclesが疎外され、Rethinking cyclesが発動される。 すなわち、人は、自分の知っていることに対してより謙虚になり、自分の意見に疑いを持ち、好奇心を持って自分が知らない情報を知ろうとする

二者択一の議論にしてはいけない。二者択一の議論になった瞬間にScienceではなくなる。どちら側につくかという議論になる。

→ いわゆる「宗教論争」と呼ばれる状態が、この「Simple but wrong」なのだろうなと思った。

→ 例えば、今の部署(R&D)で、「もっと商用に近いことをやり、事業に貢献すべき(商用化されても、関わり続けて進化させ続ける)」という考え方と、「R&Dなのだから、もっと先のことをやるべき(商用に近づいたら事業部にさっさと移管するべき)」という考え方がある。この問題に関しては、白黒をつけようとするのではなく、お互いの考えや状況を共有し、Debateすることで、それぞれのComplexな部分を理解しようとすることが大事なのだと思う。

Whyではなく、Howを議論する

解決策に議論が移ると、「なぜ」から「どうやって」に人々の注意がシフトする。「どうやって」に注意がシフトすると、Polarizationを減らし、アクションに関する、より建設的な議論を行うことができる。

CaveatsとContingenciesを付与すると、説得力が増す

「もう少しStudiesが必要だが」みたいなCaveatsを付け加えると、逆に、説得力が増す 「○○は有効だが、必ずしも素晴らしい結果をもたらすわけではない」みたいなContingenceisを付け加えると、逆に、説得力が増す

→ いつも無意識のうちに、そういった「余計な文言」を付与している気がするが、あながち間違いではないのだなと思った…

小学生の時にRethinkする経験を行うべき

今まで信じてきたことが間違っているとわかる衝撃は、好奇心、発見することの苦しみ、間違っていることの喜びへとつながる

小学生のときに、False scientific beliefsが間違えていたと知ることは重要である。よりRethinkingしやすいMindを持てるようになる。小学生の時に第2外国語を学ぶと、かなり流暢にしゃべることができるようになるのと同じ。頭がやわらかいうちに、Rethinkする経験を持つべき。

Lectures vs. Active Learning

Lecturesの方が、生徒の評判は良い。Active Learningは、より精神的な努力が必要で、楽しくないが、より深い理解が得られる。

→ なるほど

Passion talks

Passion talksで、生徒は、自分が愛することについて、授業で話す、クラスメートに教える Pasionを共有することが、Class participationの一部となった 自分自身の自己紹介としてPassion talkを行った 高いレベルのCuriosityをクラスに吹き込んだ。 お互いのClassmatesからInsightを得ることを望むようになった

→ これ、Team buildingとして面白いかも

Learning Cultureには、Psychological safetyとProcess Accountabilityが必要

Learning Culture

  • 自分が知らないということを知っている

  • 既存のやり方に疑問を持つ

  • 新しいやり方に興味を持ち続ける

そのためには、Psychological safetyが必要 Psychological safetyがあるチームは、自己申告のError rateが高いが、実際のError rateは低い Psychological safetyがないチームは、自己申告のError rateは低いが、実際のError rateは高い(何度も同じErrorを繰り返す)

Psychological safetyを作り出す方法

  • Leaderが、Feedbackを受けた過去の経験と自分のDevelopment goalsを共有する

  • 過去に受けた建設的なFeedbackが役に立った時のことを話し、これから改善しようと思うエリアを伝える

  • 自分の不完全さを認め、Feedbackを受け入れることを皆に示す、Commitする。

  • Vulnerabilityを当たり前のものとする

また、Psychological safetyに加えて、Process Accountabilityが必要 Processに対して、きっちり良い/悪いを発言し、議論するようにする 物事の決定においてそのProceduresを説明しなければならないとき、人は、より批判的に考え、かつ、様々な可能性について徹底的に検討する

Process Accountabityを軽視し、Performanceだけを重視すると、短期的には良いが、長期的には問題となる。 「動いているから、まあいいや」として、問題を放置すると、後で、大きな問題として出現し、痛い目を見る

Process accoutabilityがあって、失敗した場合 -> スマートな実験(Smart Experiments)。新たな学びがある。 Process accountabilityがあって、成功した場合 -> 改善(Improvements)

→ Psychological safetyを作り出すためのVulnearabilityは、なかなか難しいが、意識すべきだなと思う。また、新しくManagersになる人にも、是非、伝えるべき考え方だなと思う。

→ Process Accountabilityについては、これまであまり意識をしてこなかったので、意識してみたいなと思う。

定期的にCheck-upsを行う

2年に1回、Key questionsを行う

  • どういうことに熱い思いがあるか?

  • それは、どう変わってきたか?

  • 自分は、成長し続けることができているか?

  • そろそろ、方向転換すべきタイミングか?

このCheckupsを行うことで、自分の未来を予測する力に謙虚になり、自分の計画に疑いを持ち、好奇心を持って新しい可能性を見つけたり、過去に捨てた可能性を再考したりするようになる。

新しい方向性を見つけるためのFramework

  • Step 1: Entertain possible selves

    • 自分の周りの尊敬する人を見つけ、実際に日々の業務で何をしているかを観察する
  • Step 2: Develop hypotheses about how these paths might align with your own interests, skills, and values

    • そのPathsが、自分の興味やスキル、価値とAlignするかの仮説を立てる
  • Step 3: Test out the different identities by running experiments

    • 実験する。Interviewをしたり、Job shadowingをしたり、Sample projectsを行ったりする。

    • 1つではなく、様々なものを行う

幸せになるために仕事を探すよりも、より多く学ぶ、最も誰かに貢献する仕事を探す方が、幸せになれる 情熱はしばしば後からついてくる 意味(Meaning)を求めるべき 意味とは、大抵の場合、他人に貢献すること、知識やスキルを次の世代に共有することである

→ このCheck-upsは、50歳以降、どのように生きていくべきかを考える上で必要なことだなと思う。

「Interviewする」ことの重要性

本記事では、「Interviewする」ということに対して、自分なりの考えをまとめたい。

結論から書くと、

  • 何らかの決断を下す上で情報を取得する必要がある
  • その情報の取得は、「Interviewする」、「Dataから定量的に評価する」の2つしかない
  • と言えるぐらい「Interviewする」というのは重要な営みである、と思えるようになった

という感じである。

以下では、どういう経験や学びがあって、そのような考えになったかを簡単に記載したい:

2015年の人事の研修において

他の記事で書いた気もするが、2015年に9ヶ月ぐらいの人事の研修を受けた。その研修の初期の頃に、講師の人から、

  • とりあえず、知り合いに「最近、何を購入したか?」、「どのような過程で購入に至ったか?」をInterviewしてきなさい

という課題を与えられたため、何人かの人にInterviewをした。

正直なところ、Interviewをする前は、「そんなの意味あるの?」、「人に話を訊くなんて、古臭い手法だな」と思っていた。

で、Interviewして得られたのは、「いろいろな人が、いろいろな基準で何かを購入する決断を下している。それは、決して、自分の感覚で想像するだけではわからない。」という感覚だった。

当時、その講師も「Interviewして、わかっただろ?」という言い方をしていたので、そのようなことを意図して、課題を出していたのだと思う。当時は、わかったような、わからなかったような感覚だったが。

MITにて

MITでは、様々な授業でInterviewを行った。課題の半分以上は、「人に話を訊く」、「Interviewする」という感覚すらある。以下に、そのいくつかをもう少し詳細に書く:

U-lab

U-labという授業では、「ボストン周辺で自分とは最もかけ離れた人の話を聞いてこい」という課題が出されたため、米軍出身の女性のクラスメートと一緒に、Harvard squareに行って、Homelessの女性の方にInterviewをした。

正直、Interviewした内容の半分以上は聞き取れなかったが…

それでも何となく理解した内容は、

  • 親から虐待を受けていた
  • 子どもは5人いるが、何人かは養子に出し、何人かはどうなったかわからない
  • 今は、犬もいるし、彼氏もいるから大丈夫
  • 彼氏は最近仕事に就いたの

という感じだった。もちろん、1時間以上、話を聞いていたので、もっといろいろ話をしてくれたのだとは思うが。なんせ、英語がよくわからなかった…

もはや何を得たのかと言うと、よくわからない部分もあるが、アメリカの社会の大変な部分を、少し肌で感じたとは思う。今でも、その人の目や、諦めた感じで小さめに笑う感じや、歯のない口などは、残像として残っている。

iTeams (Weyl Semimetalという物質の商品化)

次は、iTeamsという授業で、MITではそこそこ有名な授業らしい。私のチームは、Weyl Semimetalという物質の商品化を考える、という課題を与えられていて、約3ヶ月で、いろいろな人にInterviewをした。

この時は、残念ながら、(英語力の問題で)英語でのInterviewを諦めていた部分があり、知り合いの日本人の方にいろいろInterviewをした。

例えば、

  • NTTの研究所の方(学生時代の物理学科の友人)
  • NTTの研究所の方(論文を見た後に連絡先を調べて)
  • 阪大の教授(学生時代の研究室の先輩)
  • 富士フィルムの方(ボーゲル塾の名簿から)
  • ボストン近郊のお医者さん(ボーゲル塾で知り合った方や日本人研究者の会で知り合った方)

など。

今、思うと、とりあえず必死だったな〜、と思う。で、学んだことは、

  • やはり専門家には専門家の知見、視点があり、気づきが得られる。それは訊かないとわからない。文献を読んだだけではわからない。
  • 頑張って、「教えて下さい」とお願いすると、いろいろな人と話ができる。そして、いろいろ話をしてくれる。
  • その行為自体を、自分のNetworkを広げるために価値があるものとみなして、頑張る。

ということかなと。

当時は、あまり何も思わなかったが、今、振り返ると、「Interviewすることはとても大事である」という感覚をつかめたなと思う。

Entrepreneurship Lab (E-lab)

E-labという授業で、あるStartupの会社の成長戦略を検討することになった。で、そのStartupの会社は、Amazon, Apple, YouTube, Netflix, ...等の企業とパートナーシップを組みたいと考えていたため、MITの卒業生で、それらの企業で働いている人に片っ端からMailを出し、反応してくれた人にZOOMでInterviewし、「どのようなパートナーシップが考えられるか?」に関して、ヒアリングを行った。

おそらく20人以上の人にInterviewをしたと思う。確か、MITの教授で、ScratchのFounderでもあるMitchel ResnickにもInterviewした。

とりあえず、「みんな、優しいな」と思った。また、将来、「Interviewしてくれ」と言われたら、絶対にInterviewに応えようと思ったのを覚えている。

で、学んだことは、iTeamsと同じで、

  • やはり専門家には専門家の知見、視点があり、気づきが得られる。それは訊かないとわからない。文献を読んだだけではわからない。
  • 頑張って、「教えて下さい」とお願いすると、いろいろな人と話ができる。そして、いろいろ話をしてくれる。

ということかと。

Talking to Humans

上記E-labで読まされたReadingに「Talking to Humans」という本がある。サラッと読める本なので、「Interviewを行う」ということに興味がある人は、読むことをお薦めする。Amazonでも買えるが、Privateで読む分には、以下のWebsiteからPDFをDownloadして読むと無料で読める:

https://www.talkingtohumans.com/

まとめ

上述したような経験を通し、今は、素直に「よくわからなかったら、Interviewしよう」、「人の話を聞こう」と思えるようになっている。成長したんだな〜と思う。

Mid-career Business Schoolで学んだ「メンタル的な考え方」

以前の記事(↓)で、Mid-career Business Schoolでは、「メンタル的な考え方」を学び、非常にためになった、という話を書いた。

chestnuthill.hatenadiary.com

本記事に関しては、この「メンタル的な考え方」をもう少しだけ噛み砕いて説明したい。

「スマートに見られたい」と思う心を捨てろ

いろいろなLeadershipの授業で言われたのは、「スマートに見られたい」と思う心を捨てろ、というアドバイスである。

要は、人は、どうしても「スマートな人だと見られたい」という気持ちがあり、その気持ちが強くなると、失敗を恐れるようになる、という話である。

例えば、わからないことがあっても、「初歩的な質問をしたら、『この人はこんな初歩的なことも知らないのか』と思われてしまう」と考えて、無邪気に質問することができなくなるといったことが、往々にして起きる。

この気持ちが強くなりすぎると、新しいことを学ぶことができなくなり、成長が止まる、という考え方である。

MITでよく言われる「Get out of your comfort zone.」という言葉は、この「スマートに見られたいと思う心を捨てろ」という言葉とかなりリンクしていると思うし、「技術者は、中途半端に一流な人ほど、自分の技術に固執する。超一流の技術者は、自分の技術に固執せず、新しい分野で挑戦し続ける」という話も、根本は一緒だと思う。

正直、日々の業務で、常に「Get out of your comfort zone.」の精神状態で勝負し続けられているか?と言われると、そうでもないなとは思うし、常にそのような精神状態に居続けると、大変すぎてやってられないとは思うが、常に心の片隅に「Get out of your comfort zone.」というメッセージは持ち続けたいと思う。

Gratitude Journalをつけよう

MITのある授業で「毎日、誰かに感謝する日記を付けることで、良い精神状態でいられる」ということを習った。

もう少しちゃんとした参照先を知りたい方は、Whetten, David A.; Cameron, Kim S.の「Developing Management Skills」という本を読むことをお薦めする。その「Gratitude」という節に、

  • The students who kept gratitude journals have higher levels of well-being; experienced fewer physical symptoms such as headaches and colds; felt better about their lives as a whole; were more optimistic about the coming week; had higher states of alertness, attentiveness, determination, and energy; reported fewer hassles and less stress in their lives; engaged in more helping behavior toward other people; experienced better sleep quality; and had a sense of being more connected to others. In addition, they were absent and tardy less often and had higher grade point averages. Feelings of gratitude had significant impact on student classroom performance as well as on their personal lives

 

という記載がある。

また、他の人に感謝の気持ちを表す人は、周りの人に対しても、感謝の気持ちを表すように促すため、結果として、チームの誰もが感謝するようになり、チームのパフォーマンスも向上する、とのことである。

「どんなけええことあんねん?」と言いたくなるような話だが、この歳になると、「そうだな」と何となく思えるほどの経験なり、感覚があり、きっと正しいんだろうな〜、と思う。

正直、MITの授業で「感謝の気持ちを綴った日記を書こう」と教えられるとは思わなかったが、そういうところをきっちりと教えてくれるところが、懐が深いな、と思う。

ちなみに、2015年に9ヶ月ぐらいの長期の人事の研修を受けたが、その講師の方も「どん底まで突き落とされて、絶体絶命の状態になった時に、辿り着くのは『ありがとう』だ。感謝なんだよ。」と言っていた。当時は、よくわからず、今も、わかったような、わからないような感じではあるが(※)、いずれにせよ、いろいろな人に感謝していきたい、と思う。

※ いろいろな人に感謝をしているが、日々の暮らしの中では、ついつい忘れてしまう、ということかと。

 

ちなみに、その講師の方は「宇宙の愛なんだよ」ともよく言っていたが、そちらは、ますますわかったような、わからないような感じである…