Fool on a hill

読んだ本やら、趣味の話やらを徒然なるままに書いていきます。

Netflixの「No Rules Rules」を読んでの感想

本の概要

Netflixの「No Rules Rules」を読んだ。この本を一言で言うと、

  • NetflixのManagementの考え方(かなり独特)をまとめた本

となる。

もう少しだけ具体的に書くと、

  1. めちゃめちゃ優秀な人を採用する。そこそこ優秀な人は解雇する
  2. そのめちゃめちゃ優秀な人同士が、率直にお互いにFeedbackを与え合う環境を作る
  3. あらゆるルールを撤廃し、そのめちゃめちゃ優秀な人が、自身の裁量であらゆるDecision-makingを行うようにする
  4. 結果として、Agility/ Flexibilityを持ってInnovationを起こし続けられる

という考え方に基づいて行われているNetflixのManagementをまとめた本となる。

正直、日本の企業では真似できない部分もあるが、参考にすべき点は多いと感じた。例えば、

  1. 待遇(給与等)を変えることはできないが、できる範囲(通常の人事異動)で、この考え方を意識する
  2. 1on1等でそのような仕組みを作る
  3. Controlしようとする上長のマインドを変える

等は、今すぐにでもできそうだし、やるべきだと感じた。

Management、Leadershipについて、いろいろと考えたい人にはお薦めの本だと思う。

もう少し具体的な所感

上記の記載だと、本の内容に関する記載がほぼないため、もう少し具体的な「気になった点。なるほどなと思った点」を以下に書く:

普通の会社のやり方(ルールをたくさん作る)の駄目な理由
  • 何か間違いが起きるたびに、同じ間違いが起きないようにProcessやRuleを設ける。
  • 結果として、PoliciesやControl processesがはびこる。
  • そのルールの中でうまく振る舞える人が昇進するが、think freshly, shift fastができない
  • 多くのCreative Mavericksが不自由を感じ、会社を去ってしまう
  • 結果として、Innovationが起こせなくなる
Talent Densityを上げる
  • 優秀な人が多いと、お互いに学び、より早くタスクをこなすようになる。
  • これが、メンバーのMotivationと満足度を上げ、さらに成果が上がる。
  • 逆に、1人か2人の普通の人がいると、チーム内の全ての人のPerformanceを下げる。
  • よって、めちゃめちゃ優秀な人のみがチームにいるようにする
Be candor
  • チーム内でお互いに正直に意見を言い、Feedbackすることで、Politicsが消え、より仕事が速くなる。
  • お互いにFeedbackするようになると、より速く学び、よりeffectiveになる
  • 人は、Self-doubt、Frustration、 Vulnerabilityを感じるため、Constructive Feedbackを受けると、心が痛む。
  • また、それをわかっているからこそ、そういうConstructive Feedbackを言うのを避けようとする。
  • それは駄目。Constructive Feedbackを言い合うCultureを作ることが大事
  • また、Feedbackは、すぐに言うことが大事。時間が経つと価値がなくなる。
  • Leaderの役目: AgendaにFeedbackを入れる、Feedbackを促す、Feedbackを受けた時に感謝の意を表明する
4A Feedback: Feedbackを行うためのガイドライン
  • Aim to assist: 相手を助けるために行う
  • Actionable: 相手がアクションできるアドバイスを行う
  • Appreciate: 感謝する
  • Accept or discard: Feedbackを受け入れるか、聞き流すかは、受け手に任せられる
Bonus, KPIに基づいた評価
  • KPIに基づいた評価を行うのは良くない
  • 理由は、Netflixのような業界では、KPIが刻々と変わるため
  • すなわち、最低でも半年前にKPIを定義する必要があるが、その場合、そのKPIが半年後に価値がなくなった場合に、柔軟、かつ、迅速な対応ができなくなる
  • Netflixでは、Bonusないで、業界最高水準の給与を支払うため、そのような評価を行う必要はない
Open the Books
  • Transparencyを重要視する。秘密にしない。
  • 秘密にする、ということは、その人を信用していない、ということ
  • 会社から信用されていないと感じる人が、会社のために一生懸命働くことは難しい
  • Work for Netflixではな、Be part of Netflixになってほしい
Whisper wins and shout mistakes
  • 自分がへまをしたことを認めるべきである。
  • 自分の失敗を認めると、心が楽になるだけでなく、周りが自分のLeadershipに対して、より信頼を置くようになる。
  • 一般的に、すでに地位を築いたリーダーは、積極的に失敗を認め、告白することで、さらなる信頼を得られる
  • 但し、まだ地位を築いていないリーダーは、失敗を認める前にある程度の信頼を築くことを優先すべき
DON’T SEEK TO PLEASE YOUR BOSS
  • ある従業員が、失敗しそうな提案を持ってきた時、どうするか?
  • その人が、めちゃめちゃ優秀な従業員であれば、自分の意見に関係なく、その従業員に任せる。
  • その人が、めちゃめちゃ優秀な従業員でない場合、そもそもその従業員はチームメンバーの一人であってはいけない。
  • 従業員は、「the informed captain(最もよくわかっている人)」として決断を下す。
the informed captainが決断を下す際にすべきこと
  • the informed captainは、自分の信念に基づき判断を下せばいい、というわけではない。以下のステップを踏む必要がある:
  • 1: “Farm for dissent,” or “socialize” the idea.
  • 自分のアイデアに対して、他の人の意見を求める。
  • 2: For a big idea, test it out.
  • そのアイデアをテストする
  • 3: As the informed captain, make your bet.
  • 決断を下す
  • 4: If it succeeds, celebrate. If it fails, sunshine it.
  • 失敗したら、そこから何を学んだかを明らかにする
The Keeper Test
  • あるTeam memberが「明日、辞める」と言った場合に、引き止めたいか否かを考える。
  • 引き止めなくてもいい、と思う場合、即座にそのTeam memberに去ってもらい、より優秀な人をTeamに迎え入れるべき
Live 360度評価
  • Dinner等を利用し、リアルタイムに評価を言い合う場を設ける
  • 日本のようなCultureの場合、よりFormalな場とし、どのようにFeedbackすべきかを明確にした方が、スムーズにLive 360度評価を進められる
Lead with context, not control
  • 上司は、部下の考えと会社のStrategyがAlignするようにBroad contextを部下に伝える
  • 後は、上司は、部下に全ての情報を与え、かつ、部下に全ての決定を下させる
  • 全くコントロールもしなければ、監視もしない
  • 結果として、部下は、自らのDecision-making muscleを鍛えることになり、将来的に、より良い決定を下すことができるようになる
  • 但し、High talent densityを実現していることが前提である
  • なお、1on1 meetingsを駆使し、上司と部下の考えをAlignさせることは重要である
  • Reedは、25%の稼働を1on1 meetingsに使っていたことがある