Netflixの「No Rules Rules」を読んでの感想
本の概要
Netflixの「No Rules Rules」を読んだ。この本を一言で言うと、
- NetflixのManagementの考え方(かなり独特)をまとめた本
となる。
もう少しだけ具体的に書くと、
- めちゃめちゃ優秀な人を採用する。そこそこ優秀な人は解雇する
- そのめちゃめちゃ優秀な人同士が、率直にお互いにFeedbackを与え合う環境を作る
- あらゆるルールを撤廃し、そのめちゃめちゃ優秀な人が、自身の裁量であらゆるDecision-makingを行うようにする
- 結果として、Agility/ Flexibilityを持ってInnovationを起こし続けられる
という考え方に基づいて行われているNetflixのManagementをまとめた本となる。
正直、日本の企業では真似できない部分もあるが、参考にすべき点は多いと感じた。例えば、
- 待遇(給与等)を変えることはできないが、できる範囲(通常の人事異動)で、この考え方を意識する
- 1on1等でそのような仕組みを作る
- Controlしようとする上長のマインドを変える
等は、今すぐにでもできそうだし、やるべきだと感じた。
Management、Leadershipについて、いろいろと考えたい人にはお薦めの本だと思う。
もう少し具体的な所感
上記の記載だと、本の内容に関する記載がほぼないため、もう少し具体的な「気になった点。なるほどなと思った点」を以下に書く:
普通の会社のやり方(ルールをたくさん作る)の駄目な理由
- 何か間違いが起きるたびに、同じ間違いが起きないようにProcessやRuleを設ける。
- 結果として、PoliciesやControl processesがはびこる。
- そのルールの中でうまく振る舞える人が昇進するが、think freshly, shift fastができない
- 多くのCreative Mavericksが不自由を感じ、会社を去ってしまう。
- 結果として、Innovationが起こせなくなる
Talent Densityを上げる
- 優秀な人が多いと、お互いに学び、より早くタスクをこなすようになる。
- これが、メンバーのMotivationと満足度を上げ、さらに成果が上がる。
- 逆に、1人か2人の普通の人がいると、チーム内の全ての人のPerformanceを下げる。
- よって、めちゃめちゃ優秀な人のみがチームにいるようにする
Be candor
- チーム内でお互いに正直に意見を言い、Feedbackすることで、Politicsが消え、より仕事が速くなる。
- お互いにFeedbackするようになると、より速く学び、よりeffectiveになる
- 人は、Self-doubt、Frustration、 Vulnerabilityを感じるため、Constructive Feedbackを受けると、心が痛む。
- また、それをわかっているからこそ、そういうConstructive Feedbackを言うのを避けようとする。
- それは駄目。Constructive Feedbackを言い合うCultureを作ることが大事
- また、Feedbackは、すぐに言うことが大事。時間が経つと価値がなくなる。
- Leaderの役目: AgendaにFeedbackを入れる、Feedbackを促す、Feedbackを受けた時に感謝の意を表明する
4A Feedback: Feedbackを行うためのガイドライン
- Aim to assist: 相手を助けるために行う
- Actionable: 相手がアクションできるアドバイスを行う
- Appreciate: 感謝する
- Accept or discard: Feedbackを受け入れるか、聞き流すかは、受け手に任せられる
Bonus, KPIに基づいた評価
- KPIに基づいた評価を行うのは良くない
- 理由は、Netflixのような業界では、KPIが刻々と変わるため
- すなわち、最低でも半年前にKPIを定義する必要があるが、その場合、そのKPIが半年後に価値がなくなった場合に、柔軟、かつ、迅速な対応ができなくなる
- Netflixでは、Bonusないで、業界最高水準の給与を支払うため、そのような評価を行う必要はない
Open the Books
- Transparencyを重要視する。秘密にしない。
- 秘密にする、ということは、その人を信用していない、ということ
- 会社から信用されていないと感じる人が、会社のために一生懸命働くことは難しい
- Work for Netflixではな、Be part of Netflixになってほしい
Whisper wins and shout mistakes
- 自分がへまをしたことを認めるべきである。
- 自分の失敗を認めると、心が楽になるだけでなく、周りが自分のLeadershipに対して、より信頼を置くようになる。
- 一般的に、すでに地位を築いたリーダーは、積極的に失敗を認め、告白することで、さらなる信頼を得られる
- 但し、まだ地位を築いていないリーダーは、失敗を認める前にある程度の信頼を築くことを優先すべき
DON’T SEEK TO PLEASE YOUR BOSS
- ある従業員が、失敗しそうな提案を持ってきた時、どうするか?
- その人が、めちゃめちゃ優秀な従業員であれば、自分の意見に関係なく、その従業員に任せる。
- その人が、めちゃめちゃ優秀な従業員でない場合、そもそもその従業員はチームメンバーの一人であってはいけない。
- 従業員は、「the informed captain(最もよくわかっている人)」として決断を下す。
the informed captainが決断を下す際にすべきこと
- the informed captainは、自分の信念に基づき判断を下せばいい、というわけではない。以下のステップを踏む必要がある:
- 1: “Farm for dissent,” or “socialize” the idea.
- 自分のアイデアに対して、他の人の意見を求める。
- 2: For a big idea, test it out.
- そのアイデアをテストする
- 3: As the informed captain, make your bet.
- 決断を下す
- 4: If it succeeds, celebrate. If it fails, sunshine it.
- 失敗したら、そこから何を学んだかを明らかにする
The Keeper Test
- あるTeam memberが「明日、辞める」と言った場合に、引き止めたいか否かを考える。
- 引き止めなくてもいい、と思う場合、即座にそのTeam memberに去ってもらい、より優秀な人をTeamに迎え入れるべき
Live 360度評価
- Dinner等を利用し、リアルタイムに評価を言い合う場を設ける
- 日本のようなCultureの場合、よりFormalな場とし、どのようにFeedbackすべきかを明確にした方が、スムーズにLive 360度評価を進められる
Lead with context, not control
- 上司は、部下の考えと会社のStrategyがAlignするようにBroad contextを部下に伝える
- 後は、上司は、部下に全ての情報を与え、かつ、部下に全ての決定を下させる
- 全くコントロールもしなければ、監視もしない
- 結果として、部下は、自らのDecision-making muscleを鍛えることになり、将来的に、より良い決定を下すことができるようになる
- 但し、High talent densityを実現していることが前提である
- なお、1on1 meetingsを駆使し、上司と部下の考えをAlignさせることは重要である
- Reedは、25%の稼働を1on1 meetingsに使っていたことがある