「The Lean Startup」を読んだ感想
「The Lean Startup」を読んだ。 (厳密に言うと半年ほど前に読んだ。)
もはや古典に近いレベルで引用されていて、その考え方はもはや常識であるため、改めてここで書く必要はないかな、と思いつつ、心に残った部分を備忘録的に記載したいと思う。
Scientific Methodが必要
最近「まずはSmallでやろう」という言葉をよく聞く。
きっと、このLean StartupやAgile開発の考え方に影響を受けているのだと思う。
一方で、「まずはSmallでやり、Scientific Methodでその結果を検証しよう」という言葉は聞いたことがない。
また、「まずはSmallでやろう」の言葉とともに行われるアクションに「Scientific Methodによる検証」が伴うこともあまりないと思う。
そもそも、Scientific Methodによる検証には定量的な観測が必須になるが、その定量的な観測自体が非常に難しい場合が多い。だからこそ、Scientific Methodによる検証はおざなりになりがちである。
ちなみに、本の中では、Scientific Methodとは「仮説を立て、それを検証すること」と書かれている。仮説を立てて検証するからこそ、失敗を認識し、その失敗から学びが得られると。
逆に言えば、仮説を立てずに「Just do it.」を行ってしまうと、失敗もせず、何の学びもない、ということかと。
ついつい「まずはSmallでやろう」と言ってしまいがちだが、「まずはSmallでやり、Scientific Methodでその結果を検証しよう」と言うように心がけたいと思う。
「まずはSmallでやろう」という言葉に潜む危険
「まずはSmallでやろう」という人の中に、
- 「まずはSmallでやろう」と言って、無難なことをする
- そして、その後、忘れ去る
- 結果的に何も変わらない
ということを繰り返す人がいることに気づいたので、自戒の念も込めてここに書いておきたい。
いわゆる、
「Get out of your comfort zone!」ができない
2流の技術者は、自分の技術に固執する(新しい技術に取り組めない)
という事象である。
この「まずはSmallでやろう」という人は、新しいことに取り組もうとする積極的な人、挑戦意欲の高い人に見えるから、より注意しないといけないと思う。
「まずはSmallでやろう」という人に気をつけよう
Genchi Genbutsu
ローマ字で書くと不思議な感じがするが、「現地現物」である。
言い換えるなら、「現場に出て、実際に見て理解する必要がある」とのこと。
2015年ぐらいに受けた人事の研修でも、「現場に出ろ」としつこく言われたのを覚えている。
肝に銘じたい。
行灯コードを引く
行灯コードを引くという行為が大事である。
異常があれば、すぐに止める。それを放置すると、あとで非効率になる。
2年前に受けた「System Dynamics」でも同様の考え方を学んだ。 (あのときもトヨタの事例だった気がするが…)
また、問題を解決するときに、Whyを5回言う。そうすることで、本質的な問題がわかる。
なお、Whyを5回ぐらい言うと、技術的な問題ではなく、Human managementの問題に行き着く。
これは日々の業務でも大事な考え方だなと思う。
特に、チームとして問題を解決する際の手法として当たり前のように実践されるようになると、チームとして強くなるんだろうなと思う。
「Whyを5回言う」という考えは、前から知っているが、実際に使ってみたこと、チームの議論の中で使ったことはあまりない。今度、使ってみたいと思う。