ふと思ったので、頭の中の整理も込めて書いてみたいと思う。
今、チームでは、ある会社のProduct(整理上は、PaaS)を利用している。3年前払い契約でそこそこの金額の契約である。
もうかれこれ10年ぐらい利用しており、チームは社内のユーザ向けにそのProductを提供しつつ、その周辺のツールの開発/運用を行っている。
このProductが、10年前は「素晴らしい!」という感じだったが、最近は
- なんかいまいちだよね…
- 競合のProductが良い機能を出してくると、後追いで同様の機能を提供してくるが、使ってみると使えない、バグが多い...
- 性能も出ない...
みたいな感じになっていて、ついに他のProductに移行しようかという議論になっている。
この議論で、私の観点で「あ~、そうだな~」と実感しているのが、
- 意思決定において、お金ではなく、Flexibility/ Agilityを意識すべき
という点である。
当たり前だが、Productの選定を行う場合、往々にして、お金がポイントになる。もちろん、機能や性能も非常に重要だが、何だかんだで、機能や性能は時間とともに同じようなものになりがちであり、結局、お金がポイントになることが多いのかなと思っている。(使い勝手など、他にも要素はあるが、ここではいったん省略する)
ここでややこしいのが「3年前払い契約だと大幅に安くなる」という条件が往々にして存在し、Money vs. Flexibility/ Agilityの判断を迫られるという点である。
チームでは、これまで「3年前払い契約で安くする」という選択を取ってきたが、今の私の結論は、「3年前払い契約は極力避けるべき」である。
理由は以下の2つである。
1つ目は、これだけ技術の進化が激しい中、3年は長すぎるという、ごく当たり前の理由である。
2つ目も、結局、1つ目と同じかもしれないが、3年の契約にすると、意思決定が難しくなり、結果的に「移行したい気もするが、継続」となってしまうリスクがあるから、という理由である。
実際、3年前、私は、この意思決定を下すポジションにいたが、この3年前払い契約の継続を止めることができなかった。理由としては、
- 当時、このチームにJoinしたばかりで、よくわかっていなかった
- Joinしたばかりで、チームメンバーが一生懸命検討して出した「継続」という結論を覆すことが実質的にほぼ不可能だった
という感じである。
未来に目を向けると、今回、3年前払い契約を「継続」してしまうと、ますます「継続」となってしまう可能性が高いのではと思う。何故なら、3年後には、私以外の人が意思決定者のポジションについていると想定され、かつ、その人が10年以上継続してきたものを変更するほどの知見/行動力を持っていない可能性が高いからである。
これは当たり前のようでいて、非常に重要なポイントだと思う。
ある意味、「いわゆるベンダロックインでしょ」と言われればそれまでだが、誰もが陥りがち罠(安さに目がくらんで大事なものを失う)だと思うので、気を付けたいなと思う。