「The 7 habits of highly effective people」を読んで 〜 Part 1 〜
はじめに
Stephen Coveyの「The 7 habits of highly effective people」を読んだ。
何度か、本屋で日本語に翻訳された本を目にしたことがあったが、こういう「人生とはこう生きなさい」みたいな本は嫌だなと思い、手にしたことはなかった。
とは言え、冷静に考えると、最近は「人生とはこう生きなさい」みたいな本ばかり読んでいるなと思い、読んでみることにした。今回も、英語の勉強も兼ねて、英語のまま読んだ。
感想は長くなりそうなので、何回かに分けて書こうと思う。
本の概要と感想
各習慣のポイントをダイジェストで記載すると、以下となる:
- Habit 1
- 自分の中の原理原則、望むべき結果に基づいて行動する (Based on principles)
- 前向きな言葉で考える (Be proactive)
- 自分がコントロールできる場所(Circle of Influence)で頑張る
- Habit 2
- 最終形をイメージする
- Habit 3
- 重要でないものを排除する
- 毎週計画を立てる
- 他人との関係においては、貯金を貯めることを心がける
- Habit 4
- 「(お金でも、チャンスでも)たくさんある」というMentalityで望む
- Win-WinのSolutionsを考える
- Habit 5
- 傾聴する、相手の話を聞く
- Habit 6
- 違いを尊重する
- Habit 7
- 生み出すものと生み出すための能力のバランスを取る
正直、「この本は、あるべき生き方をなんて簡潔にわかりやすく伝えてくれるだろう」と素直に感心した(感心というと少し上から目線な気もするが)。
「そら、ベストセラーになるわ」と思う。
ちょっとした思考実験
試しに、今、始めようと思っているプロジェクトに関して、差し障りのない範囲で上記7つの習慣を適用してみた:
- プロジェクトの概要: 〇〇部とともにDevOpsを行う
- Principes: 周りの人々の成長を助ける
- 最終形: 全社的なBizDevOpsを実現し、R&Dの成果を最大化する
- Circle of Influence: 今のチームの立ち位置、特性を最大限に活かして貢献する
- Quadrant II (Not urgent, but important): 〇〇部との対話(特に最初の対話)は、ついつい後回しにしがちだが、重要なものである
- 〇〇部との関係においては、貯金を貯めることを心がける
- 「(機会は)たくさんある」というMentalityで望む
- 〇〇部と自部門のWin-WinのSolutionsを考える
- 〇〇部の言うことを傾聴する、○○部の話を聞く
- 〇〇部と自部門との違いを尊重する
- 生み出すもの(短期的な成果)と生み出すための能力(中長期の成果)のバランスを取る
正直、わかったような、わからないような内容だが、より前向きな気持ちで進められそうである(ほんまか?)
「原理原則を大切に」、「Inside Out」、「P/ PC Balance」
ついでに、Introduction部分で「なるほどな」と思った部分に関して、軽く感想を書く:
原理原則を大切に
ポイントを簡潔にまとめると、
- 自分自身のコアとなる原理原則を大切にする
- それは、高潔、謙虚、誠実、節度、勇気、正義、忍耐、勤勉、簡潔さ、慎み深さなど
- コミュニケーションスキルや前向きな考え方などのテクニックは意味がないとは言えないが、上記コアがないとメッキが剥がれる
というものである。
至極、まっとうな考え方である。
一方で、昨今の日本の教育では、あまり重視されていないのかなとは思う。本や漫画を通して、そういう部分を学ぶことはあるが、学校の授業で習った記憶はない。学校の道徳の授業は、差別や同和教育に重きを置いている気がしていて(と言いつつ、あまり記憶に残っていないが)、ちょっと違うのかなと思う。
また、こういった原理原則の部分は、昔の東洋的な教育のイメージがあり、西洋的にはないがしろにしているのかな、と勝手に思っていたが、そうでもないのだなと思った。
きっと、
ということかなと思う。
話がずれたが、こういった原理原則に関して、正面と「大事にすべき」と言うことや改めて自分の中で確認することは大事だなと思った。
「Inside Out」
2015年ぐらいに受けたリーダーシップの研修(1年ぐらいかけて行う研修)で、講師の人から、
- 人は変えられない。人を変えたいと思うなら、自分を変えるしかない。
と言われたことがある。
「なんだか、逆説的な言い方だな」と思い、わかるような、わからないような感じで訊いていたが、今でも覚えているということは、自分の心の中に引っかかっている部分があるのだと思う。
※ 厳密に言うと、奥さんとの関係において、常にこの言葉を思い返す…
いずれにせよ、この本でも同じことが書かれている。(もしかしたら、あの講師の人はこの本を読んだ上で話していたのかもしれないが…)
要するに、
- 上記原理原則は変わらないが、ものの見方/考え方(Paradigms)は変わる
- 自分のものの見方/考え方と、他人のものの見方/考え方は違う
- その違うということを理解した上で、自分のものの見方/考え方を吟味し、他人のものの見方/考え方がどのようなものかを知ろうとする必要がある
- それが「自分を変える」ということである
ということかなと思う。
相変わらず、わかるような、わからないような感じだが、こういう視点を持つだけでも、柔軟なスタンスで、いろいろな人と仕事をすることができそうだなとは思う。
「P/ PC Balance」
Pが「Production」、PCが「Production Capability」であり、そのバランスを取ることが大事という話。
この本では、金の卵を生むガチョウの話が例として提示されていた:
「毎日、金の卵を生むガチョウがいた。1日に1個の金の卵だと待てないので、ガチョウを殺して中を見たら、ただ死んでしまい、もう二度と金の卵を得られなくなった」という話。
自分の身の周りで言うと、数年前の
- ある研究を行う部署で、短期的な成果を出すために、若手に契約関連の雑用を押し付けていた
という事例がそれにあたるのかなと思った。
本来、いろいろな技術的な知識、スキル、経験を身につける時期に、雑用に明け暮れると、5年先、10年先の研究開発力は損なわれるのだろうなと思う。少し離れた部署の話(Circle of Influenceの外の話)なので、「大丈夫かな?」と遠くから心配しているだけだったが…