成人発達理論について
先日、「成人発達理論」についての講演を聞く機会があった。
恥ずかしながら「成人発達理論」なるものが存在することすら知らず、「へ~、こういう考え方があるのか」と思った。
と同時に、これまでいろいろなLeadershipの話とかを聞いてきたが、この「成人発達理論」の要素が含まれている、あるいは、「成人発達理論」からの影響を受けているのだろうなと思うものも多いなと思った。
ここでは、「成人発達理論」について、その概要とそれをどう自分やチームメンバーの成長につなげていくかを整理してみたい。
成人発達理論とは?
成人発達理論とは、ざっくり書くと、
- 能力の成長だけでなく、心の成長が大事である
- すなわち、意識/マインドの発達、心の成長が重要
- 以下の段階を上っていく必要があるが、段階3にとどまっている人が多い
- 段階3: 他者依存段階
- 他者の視点が気になる
- 仕事上だと指示待ち
- 段階4: 自己著述段階
- 自分の中に確固とした意思決定基準ができる
- 段階5: 自己認識段階
- 自分の価値観だけではだめだと気付く
- 他人の価値観もコミュニケーションを通して理解できる
とのことである。
「段階4/段階5になる」というのは、平たく言うと「Leadershipを発揮する」ということなのだと思う。
成人発達理論をどう自分やチームメンバーの成長につなげていくか?
では、この成人発達理論なるものを、自分やまわりのチームメンバーの成長にどう活かしていくのか?
マクロな発達で言うと、修羅場体験をすることで、上の段階に進むことができる、とのことである。これは、すごくわかりやすいなと思う。
人事異動とか、副業とか、留学とか、転職とか、そういった大きな変化を通して人間は成長していく、というのはまさにその通りだと思う。
ただ、マクロな発達は、その修羅場体験が強烈すぎると、精神の不調を引き起こす場合もあるので、あまりお薦めするアプローチではないらしい。
というわけで、ミクロな発達として、「日々の1on1を通して、上長が部下を、メンターがメンティを導いていくべきである」というのが一般的なアプローチのようである。
尚、このアプローチは、導くべき上長/メンターが、しっかりと上の段階にいるというのが前提となり、そういう上長/メンターがいない場合は無理だよね、という課題は存在すると思う。
とは言え、そういった「上の段階にいる上長/メンター」がいるという前提に立つと、以下がポイントになるらしい:
- 縦社会の組織であれば、敬われている上の人の意識/行動を変える。上の人が、意識/行動をOpenにする
- 上長/メンターは、「どうすべき?」と訊いてはいけない。「あなたはどうしたい?」と訊くべき
- 部下/メンティは、自分で自分のReflection Jouranlを書くことで、上の段階に行くことができる
- 上長/メンターは、成長すべき部下/メンティに対して活躍する場を与えることができているか?また、必要なサポートをしているか?
- そして、上長/メンターは、待つことが大事。いかに待てるかがポイント
このように書くと、冒頭にも書いたが、「(私の中でぼやっと理解している)Leadership」の話とつながっているなと思う。
いずれにせよ、新しい切り口での話を聞いて、少し勉強になったなと思う。講演を聞いただけで、まだ書籍等は読んでいないので、今度、しっかり読み込んでみようと思う。