「Interviewする」ことの重要性
本記事では、「Interviewする」ということに対して、自分なりの考えをまとめたい。
結論から書くと、
- 何らかの決断を下す上で情報を取得する必要がある
- その情報の取得は、「Interviewする」、「Dataから定量的に評価する」の2つしかない
- と言えるぐらい「Interviewする」というのは重要な営みである、と思えるようになった
という感じである。
以下では、どういう経験や学びがあって、そのような考えになったかを簡単に記載したい:
2015年の人事の研修において
他の記事で書いた気もするが、2015年に9ヶ月ぐらいの人事の研修を受けた。その研修の初期の頃に、講師の人から、
- とりあえず、知り合いに「最近、何を購入したか?」、「どのような過程で購入に至ったか?」をInterviewしてきなさい
という課題を与えられたため、何人かの人にInterviewをした。
正直なところ、Interviewをする前は、「そんなの意味あるの?」、「人に話を訊くなんて、古臭い手法だな」と思っていた。
で、Interviewして得られたのは、「いろいろな人が、いろいろな基準で何かを購入する決断を下している。それは、決して、自分の感覚で想像するだけではわからない。」という感覚だった。
当時、その講師も「Interviewして、わかっただろ?」という言い方をしていたので、そのようなことを意図して、課題を出していたのだと思う。当時は、わかったような、わからなかったような感覚だったが。
MITにて
MITでは、様々な授業でInterviewを行った。課題の半分以上は、「人に話を訊く」、「Interviewする」という感覚すらある。以下に、そのいくつかをもう少し詳細に書く:
U-lab
U-labという授業では、「ボストン周辺で自分とは最もかけ離れた人の話を聞いてこい」という課題が出されたため、米軍出身の女性のクラスメートと一緒に、Harvard squareに行って、Homelessの女性の方にInterviewをした。
正直、Interviewした内容の半分以上は聞き取れなかったが…
それでも何となく理解した内容は、
- 親から虐待を受けていた
- 子どもは5人いるが、何人かは養子に出し、何人かはどうなったかわからない
- 今は、犬もいるし、彼氏もいるから大丈夫
- 彼氏は最近仕事に就いたの
という感じだった。もちろん、1時間以上、話を聞いていたので、もっといろいろ話をしてくれたのだとは思うが。なんせ、英語がよくわからなかった…
もはや何を得たのかと言うと、よくわからない部分もあるが、アメリカの社会の大変な部分を、少し肌で感じたとは思う。今でも、その人の目や、諦めた感じで小さめに笑う感じや、歯のない口などは、残像として残っている。
iTeams (Weyl Semimetalという物質の商品化)
次は、iTeamsという授業で、MITではそこそこ有名な授業らしい。私のチームは、Weyl Semimetalという物質の商品化を考える、という課題を与えられていて、約3ヶ月で、いろいろな人にInterviewをした。
この時は、残念ながら、(英語力の問題で)英語でのInterviewを諦めていた部分があり、知り合いの日本人の方にいろいろInterviewをした。
例えば、
- NTTの研究所の方(学生時代の物理学科の友人)
- NTTの研究所の方(論文を見た後に連絡先を調べて)
- 阪大の教授(学生時代の研究室の先輩)
- 富士フィルムの方(ボーゲル塾の名簿から)
- ボストン近郊のお医者さん(ボーゲル塾で知り合った方や日本人研究者の会で知り合った方)
など。
今、思うと、とりあえず必死だったな〜、と思う。で、学んだことは、
- やはり専門家には専門家の知見、視点があり、気づきが得られる。それは訊かないとわからない。文献を読んだだけではわからない。
- 頑張って、「教えて下さい」とお願いすると、いろいろな人と話ができる。そして、いろいろ話をしてくれる。
- その行為自体を、自分のNetworkを広げるために価値があるものとみなして、頑張る。
ということかなと。
当時は、あまり何も思わなかったが、今、振り返ると、「Interviewすることはとても大事である」という感覚をつかめたなと思う。
Entrepreneurship Lab (E-lab)
E-labという授業で、あるStartupの会社の成長戦略を検討することになった。で、そのStartupの会社は、Amazon, Apple, YouTube, Netflix, ...等の企業とパートナーシップを組みたいと考えていたため、MITの卒業生で、それらの企業で働いている人に片っ端からMailを出し、反応してくれた人にZOOMでInterviewし、「どのようなパートナーシップが考えられるか?」に関して、ヒアリングを行った。
おそらく20人以上の人にInterviewをしたと思う。確か、MITの教授で、ScratchのFounderでもあるMitchel ResnickにもInterviewした。
とりあえず、「みんな、優しいな」と思った。また、将来、「Interviewしてくれ」と言われたら、絶対にInterviewに応えようと思ったのを覚えている。
で、学んだことは、iTeamsと同じで、
- やはり専門家には専門家の知見、視点があり、気づきが得られる。それは訊かないとわからない。文献を読んだだけではわからない。
- 頑張って、「教えて下さい」とお願いすると、いろいろな人と話ができる。そして、いろいろ話をしてくれる。
ということかと。
Talking to Humans
上記E-labで読まされたReadingに「Talking to Humans」という本がある。サラッと読める本なので、「Interviewを行う」ということに興味がある人は、読むことをお薦めする。Amazonでも買えるが、Privateで読む分には、以下のWebsiteからPDFをDownloadして読むと無料で読める:
https://www.talkingtohumans.com/
まとめ
上述したような経験を通し、今は、素直に「よくわからなかったら、Interviewしよう」、「人の話を聞こう」と思えるようになっている。成長したんだな〜と思う。