Fool on a hill

読んだ本やら、趣味の話やらを徒然なるままに書いていきます。

リーダーはビジョンを語るべき?

モダンなリーダー像とは?

先日、ある人のリーダーシップに関する講演を聞いた。そこで、「リーダーとビジョン」について、わかりやすく話されていたので、ここで自分なりに整理したいと思う。

 

その方の話とは、簡潔にまとめると以下となる:

  • 今の事業に必要なこと
    • 市場を作る。潜在的な欲求の実現。お客様も欲しいものがわからない。
    • お客様自身もよくわからないものが目の前に現れた時に、「ああ、これが欲しかった」というものを提供すること。
  • リーダーの役割
    • 5年先はこっちの方かなと定める。先見性をもって定める。
    • 見えないけど、見る努力をする。
    • それをVisionやPurposeに落とし込んで共感を生む。
    • 何故、共感を生むか?
    • 1人ではできないから。共感を生んで、みんなで一緒に行く。
    • そのVisionやPurposeを言い続けると、迷ったときにブレない。
    • チームメンバーが「目指すべきはあの辺だよね」となると、ベクトルが合い、それが力になる。

言われてみると当たり前なことかもしれないが、地に足をつけた言葉だなと思った。

特に、「見えないけど、見る努力をする」というところがいいなと思った。

 

今の自分のチームで考えてみると、チームとしてのマインドに関しては、それなりに明確に議論することができているが、2、3年後の「ありたい姿」に関しては、チーム内でもっと議論が必要だなと思う。

ましてや、5年後は、正直、ほとんど描けていないなと反省した。チームメンバーが若い分、いきなり「5年後のありたい姿は?」と言っても、「は?」となりそうだが、少しずつ議論を深めていければと思う。

若手にとってのリーダー像とは?

上記のような「モダンなリーダー像」の講演を聞いていて、思ったことがもう1つあるので、以下に書く。

それは、若手がふわっと考えているリーダー像についてである。

最近、若手と面談することが多いので、その際に「あなたにとってのリーダーシップとは何ですか?」と訊くようにしている。

すると、たいていの方が「ビジョンを示し、チームのみんなを引っ張ることです」と答える。

で、「あなたの具体的な行動を教えていただけますか?」と訊くと、答えに詰まるか、全くそのリーダー像とは異なる行動を話してしまう、という場合が結構ある。

ここでのポイントは、

  • 一般的な、あるいは、古典的なリーダー像としては「ビジョンを示し、チームのみんなを引っ張ること」で正しいが、このVUCA(Volatility, Uncertainty, Complexity, Ambiguity)な時代においては、誰も明確にビジョンを示すことなんてできない

ということだと思う。

もちろん、いきなり訊かれた若手にしてみると、VUCAな時代であることを認識しつつ、いきなり「あなたにとってリーダーシップとは?」と訊かれると、ついつい古典的なリーダー像を答えてしまう、ということかもしれない。

ただ、もしその人の深層心理にそのようなリーダー像が根強くあり、モダンなリーダー像を目指すことができていないとすると、良くないな~と思う。

漫画やドラマ、映画だと、そういったわかりやすいリーダー像の方が描きやすいため、それらの影響もあるのかなと少し思った。実際、私もモダンなリーダー像を意識するようになったのは、ここ1, 2年だな~と思う。 

モダンなリーダー像とは、例えば、「正解なんて誰もわからないからこそ、心理的安全性を高め、チームメンバーの誰もが意見を言い、積極的に議論する環境を創り上げるリーダー」とかかなと思うが、そういう考え方が当たり前になる時代は来るのかな~とぼんやり思った。