Fool on a hill

読んだ本やら、趣味の話やらを徒然なるままに書いていきます。

チームを跨いだ変革の進め方について

複数チームを跨いだ変革について思ったことを書いてみたい。

まず大前提として、「人は自分の組織に愛着を持つ生き物であり、複数チームを跨いだ変革は難しい」ということが言える。

変革をするためには、「今までのやり方はおかしい」という自己否定から始める場合が多く、この自己否定がなかなか難しい。

一般的には、より高い視野に立つ人が「こうあるべきだ!」と言いいながら、大鉈を振るうというアプローチになると思う。いわゆる、トップダウンによる変革である。

一方で、スムーズな変革を行うには、チームメンバーの納得感も必要であり、ボトムアップ的な何かはあったほうがよい。また、チームビルディングという観点でも、既存のチームを壊しすぎることは良くないとされている。改めてチームビルディングに多大な労力をかけるより、変革そのものに力を割くべきだと思う。

このトップダウンボトムアップの両方の良さを活かすやり方として、以下のようなやり方がいいと思っている:

  • Step 1:各チームの取り組み内容を紹介する、トップからは現状の課題、進むべき方向性を示す
  • Step 2:各チームからStep 1で得た情報を踏まえ、変革案を理由とともに提示してもらい、各チームからの変革案に違いが見られる場合は、その違いを議論する。
    • 違いがあるということは良いこと(そこから新たなものの見方、考え方が生まれる)という意識で議論する
  • Step 3:トップダウンで、新しいチームの体制を提示する。その際にその理由も丁寧に説明する
  • Step 4:新体制で始まった後も、ボトムアップ的に振り返りを行い、必要な微調整を行う

このやり方であれば、チームメンバーの納得感もあり、自分ごととして変革を推進できると思っている。また、副次的な効果として、チームメンバーが、より高い視座からチームを見つめ直すことができるというものもあると思う。

一方、トップからしても、見えていない部分に気づける可能性もあり、より適切な意思決定ができるのでは、と思う。

また、Step 2の前後で、トップが各チームメンバーと1on1をしておくと、よりスムーズに議論が進むのでお薦めである。

実は、チームメンバーからすると、「そもそも〇〇の背景がよくわかっていない」ということがあるが、「恥ずかしくてみんながいる会議で訊けない」ということが往々にしてあると思っている。そういう疑問に答えつつ、1on1で丁寧にお互いの意見を交換することはとても重要だと思う。