Fool on a hill

読んだ本やら、趣味の話やらを徒然なるままに書いていきます。

「失敗」を「失敗」と認識するために

前回に続いて、「Black Box Thinking」を読んで感じたことを書きたい。

 

前回の記事の最後の方に

「人は、失敗やミスから目を逸らす」、「人は無意識の内に失敗を失敗と認識しないようにしている」

と書いたが、この本によると、例えば、ヒトは、

  1. 失敗を隠す、隠ぺいする
  2. 失敗を恐れるあまり、曖昧なゴールを設定する
  3. 失敗したことを無意識の内に記憶から消し去る

といったことを無意識の内にしてしまう生き物のようである。

特に、「2.」、「3.」は意識をしづらいので注意が必要だなと思う。

 

例えば、最近、Lean Startupとか、アジャイル開発とかという概念が流行っているので、「ちょっとやります」という人が結構いる。しかしながら、そのちょっとやるときに、本当にちょっとやるだけで、良いか悪いかの判断基準も明確にせず、かつ、その後の振り返りもしないということが多いような気がする。まさに「曖昧なゴールを設定する」ということだな~と思う。

 

また、「ちょっとやる」という場合ではなく、通常の業務でも、モニタリングしない、定量化しないというのも、別のパターンの「曖昧なゴールを設定する」ということかなと思う。

うちのチームでも、品質(欠損率のようなもの)をモニタリングして、毎月見るようになってから、チームの品質に対する姿勢が変わったなと感じた。また、数値化されているからこそ、「どうやったら良くできるのか?」とか、「○○をやったから良くなったね」とかの議論が生まれてくる。

 

というわけで、陳腐なまとめ方のような気もするが、Black Boxのように、

  • 全てのデータを見ようとする
    • 手に入るデータも、手に入らないデータも
  • そうすることでのみ、失敗から学ぶことができる

ということかな~と思う。